・「楽園」を一番最初にイメージしたのは?
その時には気づいていなかったのですが、後から考えてみると中学生だった当時の沖縄の旅行から、「楽園」探しが始まっていたのだと思います。

私の実家は私が小さい頃にバナナ屋を経営していましたから、私はバナナに囲まれて育ちました。毎週台湾から竹のカゴに入った青いバナナが山のように届き、その中には立派な角をもったカブトムシや巨大なタガメがひそんでいたりして、それでいつの間にか南の島に憧れを抱くようになったのです。中学2年の時に沖縄へ一人で旅行に行ったのですが、そこで出会ったカメラマンから「カメラマンになったら世界中旅行ができる」と言われて、ちょうど写真を始めたばかりの私はカメラマンに憧れるようにもなりました。ですから私が写真家という職業につくきっかけになったのも沖縄だったのです。
・中学2年の時に沖縄へ一人で旅行?
本当は親に内緒で台湾にひとりで昆虫採集にいく計画をしていたのですが、パスポ-トを県庁にとりにいった時、そのことがバレてしまい、国内旅行に。復帰したばかりの沖縄が日本で1番南の島でした。
・楽園とはどんなところ?
初めて沖縄を訪ねた時、強く惹かれるものがありました。僕にとっては癒される場所、理想郷が“楽園”で、世界各地でそういう場所を探し求めているということです。世界中いろんなところに楽園はありますが、西洋人や日本人が見た東洋への憧れには特有なものがありますよね。狭い意味でのアジアでなく、ポリネシア文化圏であるタヒチやハワイも含まれます。湿度が高くて色が鮮やかで、植物の勢いもあって…エキゾチックという表現でもいいのかもしれない。リゾートといってもビーチにだけあるのではなく、森の中や砂漠の中にもあるし、魂の安らぐ聖地も一種のリゾートじゃないかと思います。最近、僕の中で楽園の定義がどんどん広く、深くなっているんです。
・今後写していきたい楽園とは?
もう、たいがい行っちゃいましたからねえ(笑)。
中国の奥地を廻って、弘法大師が思い描いた楽園を撮るとか…。


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