栄さんの映画案内

映画案内・長編アニメ映画・NAGASAKI 1945 ・アンゼラスの鐘

―被爆60年・平和祈念作品―終戦被爆60年のことし、本目の平和を求めるアニメ映画が完成しました。

 長編アニメーション映画「NAGASAKI 1945 ・アンゼラスの鐘」がそれです。

 ここ長崎の浦上天主堂の近くに立つ浦上第一病院にひとりの医師秋月辰一郎が就任します。彼はその誠実な人柄で患者や病院関係者の信頼と敬愛を得ていきます。

 広島に投下された新型爆弾の威力が長崎にも伝わり、人々が戦況について案じ始めている頃、B29重爆撃機が密かに近づいていました。194511分。長崎市上空に新型爆弾が投下されます。一瞬にして何万人という人々と街は破壊され、焼き尽くされます。浦上天主堂も無惨な姿と化し、アンゼラスの鐘も吹き飛ばされて瓦礫の下に埋もれます。

 かろうじて生き残った秋月と病院の人々は、互いに助け合い、自分の家族、自身の傷も投げうって焼け焦げた病院跡で医療救護活動に立ち上がります。しかしその手に残されたものは粗末な器具と、わずかな医薬品のみ。手の施しようもなくバタバタと倒れていく被爆者。これは地獄絵です。

 秋月たちは時として立ちすくみ無力感に襲われますが、それでも看護婦の村井すが子ら仲間と共に懸命の活動を続けます。

 そして…。死を宣告され、70年間は草木は生えないと言われた長崎の空にアンゼラスの鐘が再び響き渡る時がやがてやってきます。

 このアニメは、「長崎原爆記」「心の同心円」秋月辰一郎著、「夏雲の丘=病院の被爆医師=」山下昭好著を参考文献に有原誠治が監督・脚本。アニメ作品とも思えないリアルで迫力のある画面が続きます。有原はこれまでも「うしろの正面だあれ」「えっちゃんのせんそう」などいつも平和への祈りを込めたアニメーションを手がけてきました。ナレーションは名優・小林桂樹が担当。

 これは私たち必見のアニメ。見ごたえのある作品です。     (高橋 栄)