
サシバ観察を再開して4度目の春がやってきた。年々体力が衰え、冬を乗り切るのも容易ではないというのが実感である。冬鳥の観察も今年は友人と丹沢湖に一度出かけただけであった。例年であれば3月になれば、今シーズンはどのようなテーマで、どこでサシバを観察しようかと色々考えるのだが、今年は何の構想もわいてこない。通算すると20年近く春のサシバを観察してきたが、こんなことは初めてだ。とはいっても面倒だからサシバ観察はもうやめようかという話には決してならないから不思議である。
3月9日、深沢小学校側の新川で、1メートルはありそうな、巨大ウナギが瀕死の状態で発見された。新川は鎌倉でももっとも整備が遅れているといわれている川で、魚などは殆ど見られないのだが、この川にこのようなオオウナギが何故現れたのか?とても興味のある出来事であり、しばらくはサシバそこのけで、ウナギに熱中してしまった。結局江ノ島水族館に持ち込まれたが、その後このオオウナギは死んでしまった。いまのところ鹿児島の池田湖などに生息している南方系のオオウナギなのか、それとも普通のウナギが巨大化したものかは判別されていない。
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3月16日(木) 晴
11:00−12:00 笛田公園で今シーズンはじめて観察した。予報では南南西の風、1m、気温15度とのことであったが、もうすこし風は強いようであった。東京では豊川稲荷の桜が咲いたそうだが、時期的には少し早いし、全く期待はしていなかった。ところが11:15と11:26にサシバが各1羽現れて、低空で源氏山に向かって行った。他にノスリが1羽上空を舞っていた。正確なデータは確認していないが、16日でのサシバ初認は、かなり早い記録だと思う。
3月17日(金) 晴
10:30−12:00 笛田公園にて観察。南西の風が弱く、青空で、寒さは殆ど感じられず、昨日より条件的には良いように思われた。しかし10:55ハイタカ1羽が上空に現れただけで、サシバの姿は見られなかった。
3月18日(土) 晴
9:30−11:30 笛田公園で観察した。快晴であったが、南西の風が時としてやや強く吹いていた。それほど寒さも感じず、条件としては、まあまあであった。この時期、笛田公園で、まあまあの条件が3日続くのは、珍しいことである。10:30と10:34、サシバspが各1羽、夫婦池の方向がら低空で現れ、公園の南端をかすめて、長谷の方向に飛び去った。この時期サシバが飛ぶのはかなり珍しいと思われるので、カメラをかまえていたのだが、前回のように頭上を通過したわけではないので、写真にとることができなかった。飛び方の特徴などから、サシバに間違いはないとは思うのだが?なお11:15頃サッカー場の上空をツミとノスリが各1羽旋回していた。
3月20日(月) 晴
10:30−12:00 笛田公園。 北西の風が強く、寒くて条件的には良いとはいえなかったが、晴天で、上昇気流がでているのか、トビがかなり高空を舞っていた。何らかのタカが出現しそうな雰囲気があったが、結局成果はなかった。シジュウガラの囀り、アカゲラやコジュケイの声、それにキセキレイ?が巣材を運んでいるのが目に付いた。鎌倉山の桜はやっと蕾が膨らみかけているが、気温が低く開花までにはまだ日数がかかりそうである。ツバメの姿も見られず例年であれば、こんな条件下でサシバを見ようという状況ではないのだが、体調が今ひとつなのにもかかわらず、結構集中して観察することができた。一体この時期渡ってくるサシバはどこへいくのだろうか?繁殖地の食料事情から考えて、行き先は南房総とか、伊豆七島とかごく限られた場所に限定されるだろうが、少数とはいえ、継続的にサシバは飛んでいるのだろうか?それとも越冬地におけるなんらかの事情で、(例えば森林伐採)偶発的に早くなっのだろうか?
3月21日(火) 晴
9:00−10:30 笛田公園にて観察。弱い南風が吹いていたが、サシバ観察にはかなり良い条件だと思われた。9:58オオタカが1羽上空に現れたが、サシバは飛ばなかった。昨日藤沢でコシアカツバメが観察されたとの情報をいただいたが、例年よりはかなり早い初認だそうだ。通常だとツバメが来て、サシバが来て、それからコシアカツバメがやってくる筈だが、今年は順番が狂っているようだ。
9月22日(水) 曇
10:45−12:00 笛田公園で観察した。北東の冷たい風が、吹いており寒かったが、その後風がおさまり、しのぎやすくなった。11:15に上空かなり高いところにハイタカが2羽現れた。また11:22と11:38にノスリが各1羽現れたが、サシバの姿を発見することはできなかった。後から現れたノスリはとても白っぽい個体で、明らかに別個体だと思われた。アオゲラが甲高い声で盛んに鳴いていた。今年は桜の開花が例年より10日程早いようなので、そろそろサシバも本格的に渡ってきそうな予感はするのだが。
9月23日(木) 曇
午前中は体調が悪く、午後になって少し落ち着いたので、14:45−16:00 笛田公園に行って見た。曇でやや寒かったが、ほぼ無風で、北の方には青空が見られた。秋であればこんな時間であっても、地付きのサシバが観察されることは良くあるが、春のこんな時間帯にサシバが飛ぶとは全く考えもしなかった。レンジャクとか、なにか珍しい鳥でも見られないか、期待をして見てみたが、格別変わった鳥は見られなかった。ところが15:17サシバ1羽が頭上に現れ、まっしぐらに長谷の方向に飛び去って行った。全く信じられないことが、起こるものだ。
3月25日(土) 晴
通院で平塚に行った帰りに久しぶりに湘南平で、10:00−12:00観察した。麓の桜は4分咲き位であったが、頂上ではまだ桜は咲いていなかった。南東の風がゆるやかで、寒くもなく、絶好の観察日和だと思われた。しかし10:50にノスリが1羽、東に向かった以外、タカの動きは全くみられなかった。ツバメ初認。この時期、この場所ではサシバが飛ばなくても、各種のタカの活発な動きが見られるはずなのだが、この日は完全に期待外れであった。
3月26日(日) 曇
9:45−11:30 笛田公園で観察した。南西の冷たい風が吹いており、条件的にサシバは期待できそうになかったので、ひさし張りに公園西側にある散策路を探索してみた。アオゲラが間断なく、けたたましい声をだしていた。これが縄張り宣言であるとすれば、このあたりに巣を作るのだろうか?ほかにはこれといって珍しい鳥は見かけなかったが、ウグのイスやメジロ、シジュウガラなどが囀っていた。結局公園の上空ではトビ以外のタカは見ることができなかったが、住生住宅の上空あたりをハイタカらしいタカが旋回しているのが、何度か目撃された。
徳島県の阿南市で、3月24日に44羽、25日には34羽のサシバが観察されており、また徳島市他で、他にも70羽程度のサシバが両日にかけて渡っていることが確認されており、本格的なサシバの渡りシーズンに入ったようである。これらのサシバは果たして鎌倉にやってくるのだろうか?もしやってくるとすれば何日後になるのだろうか?
3月27日(月) 晴
北西の風が強く、笛田公園はまず飛ばないだろうと思われたので、逗子の披露山公園で、10:30−12:30観察した。桜がほぼ満開で、平日なのにかなりの人出であった。初めは風が強く、寒くて集中できなかったが、徐々に気温が上昇し、風もおさまってきた。
10:50 ノスリ 1羽 上空を低く旋回
11:12 サシバ 1羽 大崎公園の超高空を東へ
11:29 サシバ 1羽 同上
11:56 サシバ 1羽 同上
12:22 サシバ 3羽 同上
大崎公園の上空には絶えずトビがかなりの高度を旋回していたが、サシバはそれよりもかなり高く、肉眼でかろうじて確認できるかどうかといった高度を東に向かって飛んでいった。高空をウォッチしているのは、かなり疲れるし、おそらく見落としが相当あったものと思われる。
3月28日(火) 曇
10:30−12:00 笛田公園で観察。桜が満開で、公園にもハイカーが多かった。南西の風がゆるく吹いていて、やや寒かったが、条件的には決して悪くないと思われた。公園に着いたとき、野球場のスコアボード裏手の中空を今まで見たことのない大型の鳥が飛んでいた。早速写真に撮ろうとカメラを取り出したが、この鳥は予想に反して、西に向かってまっしぐらに飛んでいってしまい、写真をとることはできなかった。チュウサギよりは明らかに大きく、色は黒っぽく見えた。11:25鎌倉山の上空を東に向かった2羽がサシバのように思われたが、遠くて確認はできなかった。(その後、長谷配水地での観察者よりご連絡をいただき、サシバに間違いないことを確認済み。)他にはサシバの姿をとらえることは出来なかった。ムクドリの群れが、飛び交っており、レンジャクではないかと紛らわしかったが、残念ながらレンジャクは発見できなかった。
3月29日(水) 曇
10:15−12:00 江ノ島の防波堤にて観察。 北西の風がかなり強く吹いており、とても寒かった。途中鎌倉山の桜は満開であったが、木の数が、年々少なくなり、最盛期の半数位に減ってしまったような感じで、寂しい限りである。有料駐車場に車を止めて、観察したが、トビやカモメが活発に上空を飛び交っていた。しかし期待したサシバの姿は発見できなかった。
3月30日(木) 曇
南西の風がかなり強く、おまけにとても寒い日であった。前夜、楽天イーグルスの試合をインターネットTVで見ていたら、気温1度で、降雪で、試合が中断になったりしていた。各地から桜の便りが、聞かれるが、仙台地方がこんなに寒いようだとサシバの渡りにも影響があるのだろう。こんな日には鎌倉市内では、適当な観察場所がおもいあたらなかったので、10:15−12:00、茅ヶ崎の里山公園の駐車場で主に車の中から、観察したが、サシバは全く見られなかった。時折オオタカが谷戸に出入りしていたが、他には目ぼしいタカの動きはなかった。こんな強風の日にもヒバリが舞い上がるのが、見られた。

3月31日(金) 晴
10:10−11:50 笛田公園で観察した。鎌倉地方の天気予報では朝は北風で午後からは南西の風が強くなるとのことであったが、公園に着いた時、既に南西の風が強く吹いており、とても寒い日であった。富士山がくっきりと見えていたが、麓近くまで雪を被っていた。この雪に双眼鏡の焦点を合わせると、かなりの数の鳥が飛んでいるのが目に入る。この中にサシバが混じっていないだろうかと注目したが、結局1羽も観察することはできなかった。
4月1日(土) 晴
桜が満開の週末、晴天に恵まれて、鎌倉はどこも、ものすごい人出であった。 南西の風がやや強く、条件的にはいまひとつであったが、10:30−12:15 笛田公園で観察した。笛田公園には目ぼしい桜はないが、それでも、主要な場所にはゴザが引かれていた。確かに桜の遠景を楽しむには悪くないのかもしれない。常盤山の桜が意外に数が多く、色々な種類が見事に咲いていた。初めは寒かったが、気温が上昇し、風も時として、ゆるやかになり、サシバがひょっこりと現れそうな雰囲気もあったが、結局成果はゼロであった。
4月2日(日) 曇
10:00−11:00 笛田公園にて観察。南南西の風がかなり強く、空もどんよりとしており、今にも雨が降り出しそうな様子であった。こんな条件では常識的にはサシバが飛ぶとは思われなかったが、サプライズを期待して現地に向かった。昨日の喧騒にくらべると、信じられない程公園はひっそりとしており、アオゲラやメジロ、ウグイス、シジュウガラの囀りが良く聞こえた。ただ風が強すぎて、トビもカラスも殆ど飛び上がらない状況であった。徳島の阿南市では4月1日に332羽のサシバが通過したそうだ。なんの根拠もないが、この内20%程度が鎌倉上空に、3〜5日後にやってくると仮定すると来週の半頃には相当数のサシバが観察できることになるが、果たしてどうだろうか?
4月3日(月) 晴
本日は晴天であったが、北風が強いとの予報であった。できれば海沿いの観察地点に行きたかったが、体調が悪く、やむなくバイクで自宅から5分とかからない笛田公園の芝生で、10:15−11:30観察した。公園に着いたときには、予想外に風がなく、サシバが期待できそうであったが、その後じょじょに風が強くなってきた。結局10:40ハイタカ1羽が上空を舞った以外、成果はなかった。コジュケイがけたたましい声で鳴いており、トビが盛んに巣材を運んでいた。この日、久しぶりにヤマガラの囀りを聞くことができた。コゲラ、ヤマガラ、カワラヒワはこの冬、我が家の餌台にはやってこなかったが、明らかに鎌倉山では、数が減っているように思われる。
4月4日(火) 晴
鎌倉山の桜はまだかなり残っており、花吹雪が綺麗であった。10:15−12:00笛田公園で観察した。初めは西風であったが、その後南風が強くなった。西風に上手く乗れば、省エネで渡りができると思われたが、サシバは1羽も観察できなかった。ハクセキレイが巣材を運んでいるのが目に付いた。野球場の裏手にある東屋の裏山の樹木が切り倒され、整地されてしまったが、どのように利用されるのだろうか?
4月6日(火) 晴
予報では北風で、寒い日であるとのことであったので、車中から観察できる海側の観察ポイントである横須賀市立石の駐車場で10:00−11:15観察した。初めは無風快晴で、トビが上空に群れており、今にもサシバがやってきそうな条件であったが、そのご風が南西に変わり、海辺を飛ぶ鳥の数もめっきり少なくなってきた。結局サシバは1羽もとばなかったので、11:30から逗子の南郷公園に移動して観察した。公園にはツグミが4,5羽見られた他、アカハラの姿も見ることができた。山には色々な種類の桜が咲き誇っており、静かで素晴らしい環境であった。サシバは12:16に1羽が逗葉新道の方向に中空を横切っただけであった。まだ飛びそうな気もしたが、雲が多くなり、寒くなってきたので、12:30に切り上げた。

4月7日(金) 晴
北東の風との予報であったので、昨日と同じ狙いで、葉山の真名瀬漁港の柴崎よりの海岸べりに車を止めて、10:30−12:30観察した。初めは北風はあまり強くなかったが、徐々に強くなってきて想定したような条件にはなってきた。長者ヶ崎の突先付近にトビが盛んに舞っていたが、やや遠くはっきりと識別できなかったので、プロミナーを取り出して観察したので、ものすごく疲れた。残念ながらサシバは1羽も確認できなかったが、ヒメアマツバメ、イワツバメが盛んに上空を飛び交っていた。この場所も昔釣りに通ったことがあるが、サシバを見るのは初めてである。なかなか風光明媚な場所で観察がしやすい場所ではあるが、この日は風がとても冷たかった。
4月9日(日) 晴
KJGの例会であったので、10:30−12:20源氏山公園の頼朝像の側で観察した。北風がゆるやかに吹いており、条件的にはまあまあであった。初めは一人であったが、そのうちベテランの人達が集まってきたので、見落としはないと思うが、サシバは1羽も観察できず、オオタカが3回程出現したのみであった。なおこの日、長谷の配水地ではサシバが1羽観察されたとのこと。さらに驚いたことには、南西風がものすごく強かった昨日にも同所で、サシバが2羽見られたとのことであった。
4月10日(月) 曇
10:30−12:00 笛田公園で観察。 曇で寒かったが、風は殆どなかった。サシバは10:58と11:45に各1羽サッカー場の上空を通過して源氏山方向に向かった。高知では一日に1000羽以上が飛んだとの情報があるのに、たった2羽で満足している場合ではないが、それなりに納得のいく日ではあった。四国ではサシバは秋とあまり差がない飛び方をしているのだろうか?是非一度見に行きたいものだ。他にはチュウサギが1羽北西に向かっていったのと、モズを見かけたのが印象にのこる程度であった。
4月12日(水) 曇時々雨
朝は雨であったが、空が少し明るくなってきたので、10:45−12:15笛田公園で観察した。北東の風が緩やかで、空はどんよりとしていたが、一部に青空も見られた。11:22サシバ1羽が公園の北側を通過し、常盤山上空を2,3回旋回して、源氏山方向に去っていった。まだまだ来そうな感じもあったが、そのご雨が強くなってきたので、観察を中止した。
前日は友人と秦野市にある「まほろばの森」に巣箱を設置しに行った。この場所は西湘の赤田に程近く、素晴らしい環境が残されている。巣箱設置にはやや時期が遅れてしまったが、晴天なら春のサシバが楽しめそうだと期待していたが、生憎天気が悪くサシバは見られなかった。この森林の中でも数種のタカが営巣している可能性があるとのことであった。
4月13日(木) 曇
10:15−12:00 逗子の披露山公園で観察した。最近の悪天候で、鎌倉周辺に滞留しているサシバが相当数いるものと思われるが、これらが北風に乗って一斉に飛び出せば、かなりのサシバが見られるのではとの皮算用があったが、期待に反し、サシバは一羽も飛ばなかった。今日の披露山公園は曇で、乳白色の雲がたちこめており、水墨画をみるような光景であった。風は北風ではなかったが、南の微風で、殆ど無風に近かった。絵を描くグループが数名いただけで、静かで目白が素晴らしい声で囀っていた。高空は無理としても、中空以下を通過するタカは非常に観察がしやすい状況であったが、チュウサギの10羽ほどの群れが東に向かって通過していった他、見るべき動きはなかった。披露山公園の駐車場から公園までは、ほんの50mもないような坂道であるが、今日は体調が悪く、登るのに悪戦苦闘であった。
4月14日(金) 曇時々晴
今日は晴れ間も見られたが、北風が5,6メートルとの予報だった。こうした条件でも風をさえぎるような谷間状のコースをサシバは細々と渡っているようであるが、その絶対数はそれほど多くはないと思われる。秋とのバランス、高知や徳島との関連から、神奈川県にも、今まで見落としてきたコースがどこかにあるのではないだろうか?北風に流されて海上に出るサシバがもしいるとすれば、荒崎か長井港あたりに上陸するのではないかとの想定で、荒崎に向かった。多分にゲーム感覚であり、単純思考ではあるが、何故か今シーズンはこのコースにこだわりがある。ただ途中で体調がおかしくなり、結局荒崎はギブアップして10:15−12:00立石の駐車場で観察した。沖合いかなり遠くをトビやカモメ、コサギやウの群れが行き来していたが、結局サシバは1羽も発見できなかった。
最近各地で小鳥の異常死が問題になっているが、今のところ決定的な原因は解明されていないようである。また鳥の行動範囲は、カラスが20キロ、ハトが15,6キロ、スズメは2,3キロなどという数字で、説明されていたが、こうした数字はどのように算定されたのであろうか?勿論それなりの根拠がある数字なのだとは思うが、1000キロ以上の距離を渡るといわれるサシバにも、沖縄などでは渡りをしないものがあるそうである。留鳥、漂鳥といわれる鳥にも色々なパターンがあり、行動範囲も一律に論じることはできないように思われるのだが。
4月15日(土) 晴
天気は晴であったが、北風が非常に強く、ものすごく寒かった。10:30−11:30 広町の谷戸の入り口付近で観察した。トビとカラスが盛んに飛び回っており、北風の強い日のサシバの動きが見られるのではと期待したが、結局サシバは現れなかった。この日は谷戸で作業する人が多く、やたらと車が混み合っていた。
4月17日(月) 晴
寒川浄水場のそばにある「川とのふれあいの公園」にて10:30−12:00観察した。この場所で観察するのは初めてであるが、かねてから南風の日にサシバが通過するコースではないかと思っていたので、かなり期待して行ったのだが、残念ながらサシバは1羽も確認することができなかった。初めは条件が良かったが、だんだんと南西の風が強く寒くなってきた。それでも11:00ノスリが上空を旋回したほか、相模川に出入りするコサギ、アオサギ、カワウ、オナガガモ等が頻繁に見られ、またヒバリやオナガ、ツグミなどが多く、結構退屈はしなかった。またヒヨドリの30〜50羽近い群れが東に向かって飛んでいくのを何回か目撃した。

4月18日(火) 晴
サシバシーズンもそろそれ終盤になってしまった。今日は午前中は北の微風、午後から南風に変わるとの予報であったので、逗子の披露山公園で10:00−11:15観察した。到着した時には風もなく、絶好の条件と思われたが、そのご南風が急速に強まり、サシバの飛来が望めそうになくなったので、南郷公園に場所を変え、11:30−12:30観察したが、結局サシバは1羽も見ることはできなかった。披露山公園ではセンダイムシクイの囀りが聞かれ、南郷公園ではチョウゲンボウが1羽見られた。
4月19日(水) 曇
笛田公園で9:30−10:30観察。南の風がやや強く、空はどんよりとしていたが、低空を飛来するサシバは捉えやすい状態であった。しかし、サシバの姿はまったく見ることができなかった。アオサギが3羽低空を東に向かっていった。20年前はアオサギは鎌倉では珍しい鳥であったが、今ではありふれた鳥になっている。最近黄砂の影響が注目されているが、以前は必ずこのシーズンには笛田公園でもハチクマが見られたものだが、なぜか最近は殆ど見られなくなってしまった。なお四国ではノスリがサシバの半分程度、即ち1000羽以上の数渡っていることが確認されているが、これらのノスリは一体どこから何処へ渡っているのだろうか?私は今までノスリが渡るというイメージがなく、精々夏は丹沢にいて、冬場に平野部に下りてくるのだろうという程度の認識しかなかったが、こうした認識は誤りなのかもしれない。
4月21日(金) 晴
南西の風が強く、サシバは期待できなかったが、10:30−12:00笛田公園に行ってみた。この日は青空で、黄砂の影響がまったく感じられない、爽やかな天候であったが、気温が低くやや寒かった。10:55オオタカが1羽通過したが、サシバは既に皆渡ってしまったらしく、姿は見られなかった。八重桜が満開で、新緑がとても綺麗であった。昨年は4月27日がサシバの終認であったが、ことしはスタートが早かったためか、各地ともサシバが渡りきるのも早いようだ。
4月22日(土) 薄曇
上空の雲はゆるやかに北東に向かって流れていた。青空は見えなかったが、視界は悪くなく、条件的には悪くなかった。昨日早朝長谷でサシバが見られてとの情報をいただいた。まだ完全には渡りきっていないようだったので、少し期待して、9:15−10:45笛田公園で観察した。9:30頃上空にオオタカとハイタカが現れ、さかんにジャレあっていた。9:37サシバ1羽が、野球場の北側の上空を通過して、まっすぐに台峰の方向に飛び去った。4月に入ってサシバを見るのは、全くひさしぶりのことである。まだまだ来そうな雰囲気であったが、その後サシバの姿は発見できなかった。桜前線は福島でまだ停滞しているようだが、サシバはこれが最後であろうか?
4月26日(水) 曇
桜前線がついに本州最北端にまで到達し、青森では桜と梅が同時に咲いているとのニュースがあった。もういないだろうとは思ったが、昨年は4月27日にサシバを見ているので、もしかしたらと10:45−12:00笛田公園で観察した。南西の風がゆるやかに吹いており、青空は見えなかったが、それほど条件は悪くなかった。11:40突然サシバ1羽が上空に現れて、二度ほど旋回して、台峰の方向に消え去った。ヒメアマツバメとツバメが上空を舞っていた。コジュケイの甲高い声やムクドリの繁殖期らしい、いつもとは違った声が聞こえてきた。
4月28日(金) 晴
9:00−11:00 湘南平で観察した。南西の弱い風が吹いており、晴てはいたが、もやがかかっていて、箱根も丹沢も江ノ島も殆どみることができなかった。時期的にも大きな期待はしていなかったが、9:28テレビ塔の上空かなり高いところをサシバ4羽が旋回しているのを発見した。何処から来て、どこに消えたのかは確認できなかったが、もしかしたら、渡りではなく、この付近で繁殖をするために留まっているサシバの可能性もあるのだろう。先日秦野のまほろばの森に巣箱を設置しに行ったときに、森林の管理者はこの森林にサシバが止まっているのをよく見ると言っていた。この日肉眼では見えない高空を見慣れぬ鳥が飛行していたが、良く見るとなんとウであった。ウがこんな高空を飛行するのを見るのは初めてのことだ。遠くでガビチョウの囀りがかすかに聞こえていた。
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いつの間にか春のサシバシーズンも終わってしまったようだ。過去20年サシバを観察してきたが、今年は非常に特徴のある年であったように思う。私が今春観察したサシバは20羽で、決して多くはないのであるが、そのうち3月中に観察したサシバの数が11羽と、過去でも最高レベルであった。なぜ今年は3月のかなり早い時期からサシバがこんなに見られたのだろうか?いままでサシバが飛ぶのは、早くとも3月末からという認識であったが、それは間違いであったのだろうか?それとも今年だけの特徴なのか?また新たな疑問点が出てきてしまった。
それにしても同じ鳥なのに春と秋とではどうしてこんなに観察できる数に差異があるのだろうか?私は以前秋に矢倉岳で一日で300羽を越えるサシバを観察したことがある。鎌倉周辺では大崎公園と江ノ島展望台での一日120羽が最高だと思う。それなのに春はシーズンを通して、20羽、どうしてこんな不思議なことが起こるのだろうか?
現在春のサシバに関心をもって毎年、定点観察を続けているのは、鎌倉の長谷配水池等をの他は、日本野鳥の会の、高知支部と徳島支部位のものではないだろうか?高知、徳島では春にも2000羽を越すサシバの渡りが例年観察されている。これは秋に観察されるサシバの数の半分以下とはいえ、かなりの数であって、これくらいの数が見られるのであれば観察に参加しようという人もかなり出てくるのだろう。それに引き換え鎌倉周辺の観察ポイントでは合計して100羽見られるという場所はあったとしても、極めて少ないようである。今年は他の観察者によって、鎌倉に於いて従来は飛ばないと思われていた、南風や北風が強い日にも、サシバは一定のコースを数は少ないが、着実に渡っているという事実が確認されたことは大収穫であると思う。しかし上記の根本的な疑問のほかにも新たな疑問点が随分と増えたような気もしている。
サシバ、学名Butasfur indicus 、なんとか健康を維持して、秋にまた是非会いたいものである。
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今シーズンも多くの方から情報提供をいただき深謝申し上げます。


