平成19年春サシバ観察記録

                 
      足柄峠から望む金時山。春のサシバ観察には絶好であるが、あまりにも遠い。

昨年10月10日に最後のサシバを見送って以来、5ヶ月が過ぎた。昨年は大ウナギ騒動とかいろいろエキサイティングな出 来事があったが、今年の冬場はこれというアクセントがなかったような気がする。それでも茅ヶ崎にタゲリが来ているとの情報を頂き、友人と何度か、現地を訪 れたが、出会うことはできなかった。西丹沢の大野山にオオマシコが来ているとの情報を得たが、これも空振りに終わってしまった。でも80羽を超えるハギマ シコの群れに出会うことが出来たのはこの冬唯一の収 穫であった。日本野鳥の会神奈川支部も田中幹事が主体となって、昨年の秋から県内の主要ポイントでのサシバの渡りの実態調査が開始されることになっ た。その集計結果が支部報「はばたき」の3月号に掲載されているが、こうした試みは非常に意義のあるものだと思われるし、今後も継続的にこうした調査が行 わ れることで、蓄積されたデータから、これまで解明が出来なかった、多くのことが明らかになっていくものと期待される。できることなら春のサシバの渡りにつ い ても、支部ベースでの調査を実施してもらえないかと田中幹事に提言をさせていただいたが、残念ながら現状ではそこまでは手が回らないとのことであった。
今年の冬は巣箱つくりをしようと、電動ドリルなどを買い込んだが、結局なにも新しい作品はできなかった。暇つぶしに韓国ドラマ等を見てみたが、これが意外 に面白い。ストーリーもさることながら、ソウルから日帰り圏内の山にクマゲラが生息していたり、カササギやソウシチョウと思われる鳥の声がバックグラウン ド に入っていたり、思わぬ発見をすることができた。また特別必要性もなかったが、Windows Vistaを発売と同時に導入して見た。まだ完全に使いこ なしている訳 ではないが、デスクトップにガジェットという機能が導入され、鎌倉市の天気予報を毎日見ることができる。そろそろサシバ観察を始めようかとおもうのだが、 鎌倉市の気温 がこのところ5,6度という日が多く暖冬といわれる割には、さっぱり春らしい日が来ない。昨年は3月16日にサシバを初認しており、もうサシバが渡ってい るかもしれないと気にはなるが、やはり気温が10度は超えないと体が動かないようだ。(2007年3月19日)

3月20日(火)  晴

10:30−11:30 逗子披露山公園にて観察。北風が強く、寒くて全く集中できなかったが、眺望絶佳、コブシの純白 の花が満開であった。遠く麓まで雪をかぶった富士山や、南アルプスの真っ白な峰々が見渡せた。11時前後にオオタカが二度現れただけで、サシバの姿をみつ けることは出来なかった。

3月21日(水)  晴

10:30−12:00 笛田公園にて観察した。祝日で、サッカー場も野球場も賑わっていた。北風が冷たかったが、天気 も良く、いかにもサシバがやってきそうな感じがする日であった。しかしノスリが2羽現れただけで、サシバは一羽も確認できなかった。大半のユキヤナギやレ ンギョウはもう花が終わってしまったが、駐車場脇のユキヤナギは満開であった。

3月22日(木)   晴

今日は、ガジェットでみると、気温が11度になっていた。10:15−12:00 笛田公園で観察した。南風が時折、緩 やかに吹いていたが、体感気温は意外に冷たく、一箇所にとどまって観察することはできなかった。アオゲラのけたたましい声が時々聞こえてきた。今年はここ 数年では珍しくカワラヒワが多いようだ。高知あたりではサシバが確認されており、そろそろどこからともなく、ふわっとサシバがやってきそうな雰囲気であっ たが、結局一羽も観察できなかった。

3月23日〔金)  晴

10:15−12:00 逗子披露山公園にて観察した。晴天で弱い南風が吹いており、気温も15度近くまであがり、初め て寒さを感じることなく 観察することができた。上空をトビやカラスが絶えず飛び交っており、サシバがやってくれば、発見しやすい状況であったが、残念ながらサシバはおろか、その 他のタカ類も全く発見することができなかった。

3月24日(土)  曇

9:15−10:30  笛田公園にて観察。空は曇っていたが、ぼぼ無風で、条件的には悪くはなかった。インターネット で見ると、今年は春のサシバの観察地点が増えているようだが、現在までに実際にサシバが観察されたのは高知で8羽だけのようだ。とはいえこの8羽〔実際に はもう少し多い数が通過していると思われる)がそろそろ鎌倉にやってくるのではという期待感はある。春の渡りのルートは謎だらけであるが、南アルプスがま だ雪をかぶっているような時期に、日本の中部山岳地帯を越えていくことはないだろうと思われるし、太平洋岸を北上してくると考えるのが自然のように思われ るのだが。結局この日もサシバは現れなかった。

3月26日(月)  曇後晴

9:00−11:15 馬入ふれあい公園にて観察。湘南平に行こうと思って家を出たが、相模川の橋の上から遠望すると、 曇っていて視界が悪そうで、寒そうだったので、場所を変更した。
9:35 相模川のかなり上流をサシバと思われる、タカが1羽、寒川方面に飛び去ったが、遠くて良く確認ができなかった。その方向に無意識に歩いていた ら、上流に架かる橋(湘南銀河大橋)の直ぐ手前まで来てしまった。途中ヒバリやハクセキレイ、ツグミ、カワラヒワなどがさえずっていたが、その後はタカの 姿は全く 見られなかった。帰りは南風がアゲインストで、歩くのに苦慮した。kこの場所はまだ実績がないが、南風の日には絶好な観察場所だと思われる。ただし、南風 でも海上を飛ぶサシバがあれば(もしこの時間に鎌倉でサシバが見られるとすれば、このコースしか想定しにくい?)完全にブラインドになってしまう。この日 は気温の 変動が激しく、車は行きは暖房、帰りは冷房であった。昨年は3月中にサシバ を11羽観察している。ことしはサシバの飛来が遅れているのだろうか。それとも今年がノーマルで、昨年が異常に早かったのだろうか?いずれにせよ観察を開 始して一週 間、そろそろサシバに会いたいものだ。

              

3月27日(火)  曇

10:15−11:15 笛田公園にて観察。南の風がかすかに吹いており、時折雨が落ちてきて寒かった。視界が悪かったが、春のサシバを観察するには必ず しも悪い条件ではないと思われた。しかし目ぼしい鳥の動きも見られず、体調もすっきりしなかったので、観察を切り上げようとしていた矢先、10:58にサ シバが一羽低空で現れ、サーカー場の真上を通過して、源氏山方向に飛び去った。今シーズンのサシバ初認であったが、危うく見過ごすところであった。やはり サシバは、来ていたのだ。そうなると昨日見たのもサシバだった公算が強いように思えてくるが、反面識別能力のお粗末さを露呈しているのであろう。

3月28日(水)  晴

9:50−11:30 逗子披露山公園にて観察。桜はまだ1,2分咲きであったが、好天気のためか、お花見気分の人が多く、賑やかであった。上空は青空で あったが、黄砂の影響で江ノ島もかすんでいた。風は弱い南風であったが、気温も高く、春のサシバを見るにかなり好条件だと思われた。しかし体調が悪く、集 中力が散漫であったので、海側の観察は全く捨てて、大崎公園を背にする場所にあるベンチで観察した。10:05、10:23.11:24にサシバが各一 羽、中空を東に向かって行った。ツバメを初認したが、視界を絞っていたためか他には目ぼしい動きは確認できなかった。

3月29日(木)  晴

10:15−11:45 笛田公園にて観察。気温があがり鎌倉山のサクラも6分咲きとなり、週末は人出でごった返しになることが予想される。この日は快晴 ではあったが、南西の5メートルを越える風が吹いており、笛田公園でサシバに出会える確率は限りなくゼロに近かった。少しでも確率の高い台峰にでも行こう かと思ったが、体調がすっきりせず、結局笛田公園の「さしばの見える丘」で、寝ころびながらのサシバ観察となった。予期したとおり、サシバは全く見られな かったが、ざわざわとした風の音と、メジロの囀りとのコラボレーションを楽しむことができた。高知では400羽以上のサシバが既に通過しており、奈良や岐 阜からもサシバ情報が寄せられているが、鎌倉は不調のようだ。

                                               

3月30日(金)  雨後晴

朝は雨が降っていて、観察は無理かと思っていたが、10時頃雨があがり、空が明るくなってきたので、10:30−12:00 笛田公園にて観察した。時 折、北の緩やかな風を感じたが、ほぼ無風に近かった。10:30バイクで笛田公園の直前まで来たとき、頭上をサシバが一羽低空で東に向かって行った。肉眼 でもはっきり見える距離であったが、見とれていてバイクがスリップし、危うく事故を起こすところであった。公園につくといきなり10:35にサシバが1 羽、10:37分にサシバ2羽がほぼ同じコースを低空で、住生住宅の方向に向かっていった。わずか7分間で4羽も見られたので、二桁は確実だろうと期待し たが、その後条件がさほど変わったとは思われないのに、サシバは一羽もやって来なかった。11:04ハイタカが一羽野球場の西側を旋回したが、すぐに見 失ってしまった。サクラは一日にして、ほぼ満開になっていた。この日笛田公園では珍しくウソの声が聞こえた。

3月31日(土)   曇

8:30−10:00 笛田公園で観察した。午後から所要があり、珍しく早い時間帯での観察となった。空はどんよりとしており、弱い南風が吹いていた。気 温は10度であったが、とても寒かった。こんな天気でも春のサシバを見る条件としたは必ずしも悪くはないと思われたが、残念ながら成果はゼロであった。

4月1日(日)    晴

南風がかすかに吹いていたが、快晴で、まあまあの条件だと思われた。気温は20度を超え、暑いぐらいであった。サクラ満開の日曜日、鎌倉はどこも花見客で 大混雑が予想され道路が渋滞して身動きがとれないが、その点笛田公園はバイクで、4,5分で行くことができるのがありがたい。時期的にもそろそろ大きな群 れがやってくるはずだと、期待して9;30より観察したが、サシバは10:58になってやっと1羽現れ、常盤山の方向に飛び去ったのが唯一の成果であっ た。その後も飛びそうな感じはしていたが、疲れがひどかったので、11:15で切り上げた。

4月2日(月)     曇時々晴

立石海岸の駐車場で、10:00−12:00観察した。鎌倉は北風がゆるやかに吹いており、雲が立ち込めていて、視界が悪い上寒そうだったので、車の中か ら観察のできる横須賀市の立石海岸に向かった。逗子を過ぎると急に明るくなり、現地に着いたら、上空に晴れ間が出ていた。この場所では春にサシバをカウン トした実績は殆どないが、ここから少し山側に入った子安の里などでは春にサシバを何度か確認しており、この時期、この条件ならきっとやってくるだろうとの 期待感はあった。上空をトビやカラスが多数舞っていたが、サシバはなかなかやってこなかった。ノスリが1羽周辺をうろついていた。11:35になってやっ とサシバが1羽山側を低空で、東に向かっていくのが確認できた。始めは寒かったが、徐々に気温が上がってきた。昨日であればここまでくるのに一時間以上は かかったはずだが、この日は渋滞もなく、片道25分で往復することができた。

4月4日(水)   曇後晴

朝方は雨は降っていなかったが、空はどんよりとして、寒そうだった。PCのデスクトップに表示された鎌倉市の気温はなんと4度になっていた。予報では午前 中は北風、午後から南風で、気温もあまり上がらないとのことであった。このような条件で車の中からでも観察できる適当な場所としては西湘バイパスの国府津 SAとか、馬入ふれあい公園などが挙げられるが、結局体調を考慮して、比較的楽に行くことができる立石海岸で、9:10−11:30観察した。初めのうち は北風がやや強く、海上にトビやカラスが多数舞っていたが、10:30頃に風向きが変わったのか、これらの鳥が一斉に陸上に戻ってきて、頭上を飛び交って いた。これらの中にサシバが混ざっていそうであったが、結局ノスリとミサゴを各1羽発見しただけで、サシバは1羽も見つけることができなかった。条件的に は決して悪くはないのに、ゼロ回答はやや意外であったが、披露山などから見ていると春のサシバは海岸線に沿って飛ぶことは少ないように思われる。春のコー スはもう少し内陸側にあるのだろうか?二日前は駐車場がガラガラであったのに、この日はほぼ満杯であった。イソヒヨドリが素晴らしい声で囀っていた。

4月5日(木)  晴

昨日はやっと鎌倉でもかなりの数のサシバが飛んだとのこと。いよいよ本格的なシーズンが到来したようだ。かなり期待して9:30−11:15 湘南平の展 望台で観察。天気は快晴で視界も良く、風は弱い北風で、またとない好条件と思われた。しかしサシバは一向に姿を現さず、ゼロという惨憺たる結果となった。 湘南平では勿論過去に何度となく空振りはあったが、それはそれなりの理由があったように思うが、今日は何故飛ばないのか理由が全くわからずショックであっ た。その後風が南に変わってきたようだったので、寒川浄水場のそばの水とふれあいの広場で、食事をしながら11:45−12:45観察したが、オオタカが 現れただけで、こちらもサシバは全く飛ばなかった。もし鎌倉で遅い時間にサシバが観察されているとすれば、それらのサシバは一体どのようなコースを辿った のだろうか?

4月6日(金)   晴

昨日鎌倉ではサシバがかなり飛んでいるが、いずれも比較的早い時間帯に観察されており、これらのサシバは湘南平を9:30以前に通過したものと思われる。 もっと早起きしないとサシバに出会えないようだ。このところ午前中は北の風で午後から南に変わるというパターンが続いている。そして朝方は気温が低く、寒 い。こんな日はどうしても車の中から観察ができて、そこそこサシバに出会える可能性がある場所で観察したいのだが、鎌倉には適当な場所がなく、結局今回も 立石海岸で、9:45−11:15観察した。過去20年、逗子の大崎公園や披露山公園で観察したサシバは恐らく100羽は超える筈だが、その軌跡をたどる と海岸沿いに東に向かうものは極めて稀であり、大半がもう少し内陸側を通過しているように思われる。しかし南郷公園で観察しても、それほど多数のサシバは 観察できないので、おそらくその中間のどこかに春のサシバの渡りのルートがあるのではないかと以前から考えていたがいまだにその場所は特定できていない。 立石は恐らくサシバの渡るコースからは相当外れていると思われるので、できれば昔プレーしたことのある葉山国際カントリークラブ付近で観察してみたいのだ が、残念ながら車をとめる適当な場所が見つからず、結局立石まで行ってしまうことになる。この日は南風に変わった時点で切り上げようと思っていたが、ほぼ 無風の状態が長く続いていた。ノスリが何度か現れたが、サシバは1羽を見られなかった。その後南郷公園で食事をしながら11:45−12:45観察した が、サシバは全くとばなかった。ただ12:38にハチクマが1羽悠然と姿を現し、追浜の方向に消えて行った。白色が目立つ綺麗な個体であった。

4月7日(土)   晴

鎌倉山のサクラはまだ殆ど散っておらず、2週連続で週末に花見が楽しめたが、弱い北風が吹いており、かなり寒かった。9:45−11:45 笛田公園にて 観察。条件的には悪くはないように思われたが、サシバは10:27分に1羽現れて、低空を常盤山の北側に去っていっただけであった。上空の雲は南に流れて いるのに、サシバがこのようなコースをたどるのはとても珍しいように思われた。高知では既に2200羽以上が通過しているようだが、鎌倉周辺では今までの ところ思ったようにサシバは飛んでくれないようだ。

4月9日(月)  晴

昨日は体調不良で観察できず、この日もコンディションがいまひとつすっきりしなかった。天気は良好であったが、北東の風が5メートルとの予想であったの で、江ノ島の防波堤にある有料駐車場で9:45−11:45主に車の中から観察した。ミサゴが何度か出現しただけで、結局サシバは1羽も見ることができな かった。既に高知では3200羽以上のサシバが通過しており、昨年実績の90%近くが飛んでいることになる。徳島でもかなりのサシバが通過しているのに、 私は4月に入ってたった2羽のサシバしか観察していない。観察時間が少ないこともあるが、一応ゴールデンタイムを選んで観察しているのにも拘わらずこの低 調ぶりはどうしたことなのか?北風が強い日サシバは笛田公園はまず飛ばないが、これまでは何となく、海側を飛んでいる筈だという先入観があった。秋にはこ うした傾向があることは間違いないのだが、果たして春のサシバは北風の強い日どうしているのだろうか?20年も観察しているのに、こんな基本的な問題が、 原点に戻ってしまったようだ。このような日サシバは飛ぶことをあきらめ、どこかで待機しているのだろうか?それとも風に身お任せ、海上はるか沖まで流され て、三浦半島の先端部分に到達しているのだろうか?それともこれまで想定していたのとは全く逆に風に影響されないくぼ地を選んで、はるか内陸側のどこかの ルートを飛んでいるのだろうか?


4月10日(火)  晴

快晴、弱い北風、鎌倉の各地でもかなりのサシバが飛びそうであったが、発想を転換し、観音崎の灯台の下で、9:30−12:00観察した。春に東京湾沿い の場所でサシバを見るのは今回が初めてであるが、鎌倉を通過したサシバがかなりの数あって、このような条件であれば必ず観音崎の周辺を通過するのだろうと の想定で、この場所を選定した。現地に着くとしばらくは北の風を感じたが、10時台になると殆ど無風になり、ほぼ想定内の条件が整っているように思えた。 対岸の君津や富津はもやにかすんではいたが、はっきりと見えていた。サシバは10:27と10:38、10:47に各1羽やってきた。サシバは3羽とも当 初考えていたのとは全く異なり肉眼でかろうじて確認できるような高空を正面よりはやや右手に見える富津の観音像の方向にまっしぐらに飛行していった。初め のうち春のサシバは低空でやってきて、海岸線に近いところに戯れているトビのように上昇気流をとらながら、若干高度を上げた上で千葉方面に向かうものと考 え ていたので、初めから超高空を飛んでくるとは予想外で、見落としがあったかもしれない。11時を過ぎると南風が強くなり、サシバはさっぱり飛ばなくなっ た。もう少し 北風が強いと、サシバは久里浜付近を通過するのだろうが、南風が強いときは果たしてどこを飛ぶのだろうか?

                            

4月11日(水)   晴

昨日までの高知でのサシバ通過数6340羽、しかも一日で2600羽以上も観察したポイントがあるとのことで、愕然とする。それに引き換え、神奈川はあま りにも通過数が少なすぎるし、なにか重要なポイントを見落としているのではないのだろうか?もっとも可能性があるとすればやはり海上ルートの存在ではない だろうか?この日は午前中は晴天であるが、終日北風が吹くとの予報で、笛田公園は期待薄と思われた。できれば久里浜に行ってみたかったが、体力的にきつ かったので、荒崎の展望台で9:30−11:30観察した。もし春にも海上にサシバのルートがあるとすれば、荒崎あたりも上陸地点の候補に上げられるのだ ろう。私は春に荒崎でサシバを見るのは初めてであるが、昔なんども釣りに通っているので、現場の状況は熟知しているつもりであった。全般的に靄ってはいた が、海上をサシバが飛んでくるには絶好の条件だと思われた。しかし残念ながらサシバは1羽も現れなかった。もっと他の地点に上陸地があるのか?それともそ もそもそんなルートは存在していないのだろか?

4月12日(木)   晴

早朝自宅裏山でこれまでに聞いたことのないとても綺麗な声を聞いた。ガビチョウでもソウシチョウでもないと思われるが、果たして何の声だったのだろう。レ コーダーを取り出したときには既に飛び去ったあとであった。この日も晴天であったが、午前中北風で午後から南に変わるという予報であった。こうしたパター ンは観察場所を決めるのがとても難しい。色々考えたが結局9:30−11:00笛田公園で観察した。現地に着いた時はほぼ無風であっが、直ぐに南風が吹き はじめた。こうした日は風の変わり目であるほんの数分間だけがチャンスなのだが、サシバは気配すら感じられなかった。南風なのにとても冷たく、体が冷え 切ってしまたので、早めに観察をきりあげた。    
その後色々と考えても、今年のサシバの動きはどうしても納得がいかない点が多くなにか重要な盲点があるような気がする。早朝のサシバの動きも一つのカギで あるが、午後のサシバの動きにも見落としがあるのではないだろうか?あれこれ考えながら、午後のサシバの動きを見るために14:00−15:30源氏山の 山頂で再度観察した。気温は15度だったが、とても寒かったので、頼朝像の奥にあるサルスベリの木にもたれかかって、観察したが、14:58サシバが1羽 超低空で頼朝像の後ろを越えて、東に向かって行った。たった1羽であったが、こんな時間でも渡っていることがわかったのは収穫であった。

4月13日(金)   曇時々雨

朝から南風がやや強く、曇り勝ちであった。10:00−12:00 茅ヶ崎の里山公園にて観察したが、時折雨が降ってきて条件的には最悪であった。結局サ シバもオオタカも1羽も現れなかったが、それでもこの公園には里山の雰囲気が残っており、なんとなくゆったりとした気分になる。ツグミが数多く集結してお り、そのほかにも様々な鳥が移動途中に立ち寄っていて、結構楽しめる。サシバが繁殖するには、やはりこのようなのどかな雰囲気が必要なのだろう。ただこの 場所はサシバの渡りのルートからは、外れているようで、今までにかなりの回数訪れているが、まれに数羽のサシバに出会える程度である。南風の日の渡りの ルートが湘南地方にもしあるとすれば、果たしてどこなのだろうか?
                                                              
4月14日(土)   晴

昼間所要があるので、6:40−8:10 笛田公園にて観察。こんな早い時間帯に観察するのは何年ぶりだろうか?地上はさほどでもなかったが、上空は南西 に流れる雲の動きが早かった。この条件ではサシバは期待薄であったが、もし来るとすれば鎌倉スタートが6時台、湘南平付近をスタートしたものが7時台、そ して8時台になれば箱根や足柄をスタートしたものがやってくるだろうと思ったが、サシバの姿はまったく見ることができなかった。上空をウの7羽と10羽の 群れが通過していった他にはこれという動きは見られなかった。

4月15日(日)  晴

いつの間にか4月も半ばとなってしまったが、思うようにサシバは飛んでくれない。この日も午前中北風で昼ごろから南風に変わるというこの春の典型的なパ ターンであった。こんな日は風向きが、切り替わるほんの僅かな時間にだけドラマが起こりうるような気がする。ただこの瞬間は突然やってくることもあるが、 複雑な風の動きの中でいつの間にか、風向きが変わっていたということも結構多い。その瞬間に起こりうるドラマに期待して9:00−11:15江ノ島の防波 堤で観察した。この場所には通常は車で行くのだが、休日は駐車場が満杯になることが予想されるので、久しぶりにバイクで出かけた。着いて、しばらくは弱い 北風か無風であったが、すぐに南風が吹き始めた。10:23海上から戻ってくる無数のトビのなかをサシバが1羽低空でやってきて、ヨットハーバーを越え て、竜口寺の方向に真っ直ぐに飛び去った。このコースを辿るということは、海上にサシバのルートがあるということの証明になるのではと思うのだが、1羽で は説得力に欠けるのでせめて二桁のサシバが同じコースを辿って欲しかった。しかし相当集中して観察したにも拘わるず、後続はやってこなかった。ほかにはハ ヤブ サが何度か通過していった程度であった。

                                                       

4月16日(月)   曇時々雨

北風がやや強く、おまけに時々雨が降ってきて、結構寒い日であった。10:00−11:00 三浦半島西岸にある三戸海岸にて観察した。ここは京急の三崎 口駅の西側にあり、昔磯釣りで何度か行ったことのある場所である。先日荒崎が空振りに終わっているので、もう少し南側にある上陸地点候補として選定した。 雨は降っていなかったが、寒かったので車中から観察した。しかしサシバの気配はまったく感じられなかったので、早めに切り上げた。その後12:00− 13:00立石海岸の駐車場で、昼食をとりながら観察した。時折雨が降ってきて、北風も強く全く期待はしていなかったが、12:30裏側に迫った山の上を 低空で東に向かうサシバを1羽発見した。前回見たのと全く同じコースであった。北風で海側ばかり注視していたのに全く意外であった。
                        
                                       立石海岸                        三 戸海岸
4月17日(火)  曇

強い北風、時々雨交じりの寒い日であった。こんな日サシバはどのように活動しているのだろうか?11:00−12:00 七里ガ浜にある鎌倉プリンスホテ ルの駐車場から観察した。海上は意外に明るく伊豆大島が眼前に良く見渡せた。また江ノ島の展望台付近を飛び交うトビの動きも良く見ることができた。流石に 海上を行き来する海鳥の数は少なかったが、それでもカモメやトビがかなり沖合いを飛んでいるのが見られた。以前三原山が噴火して、大島が全島避難となった とき、この付近からプロミナーで見ると、元町付近を行き来する車をはっきり確認することができた。伊豆大島は思いのほか近くにあるのだが、この伊豆大島と の間の海上にサシバが飛行するルートがあるかどうかを確認するには、条件の良い日にこのあたりから、海鳥観察グループと同じ装備で観察するのも有効だと思 われる。はるかかなたを東に飛行するサシバのような鳥があったが、遠すぎて双眼鏡では確認はできなかった。プロミナーなら識別が出来そうだと思ったが、駐 車場に車を止めるだけでも気が引けるのに、さすがにプロミナーまで持ち出す勇気はなかった。

4月18日(水)   曇

このところ曇りで、北風が強く、寒い日が続いている。こんな日サシバはどこかの森でジッと天候が回復するのを待っているのだろうか?時速40KMで、12 時間の連続飛行に耐えうるといわれるサシバがそんな静的な鳥であるとは私にはどうも思えない。こんな日であってもサシバはどこかを力強く風など物ともせず に飛んでいるのではないだろうか?あるいは忍者のごとく、人目につかない谷間を飛んでいるのかもしれない。常識的には飛ばないと思われる条件であったが、 そんなことを考えながら、10:45−12:15披露山公園の駐車場で観察した。できれば公園から観察したかったが、寒くて車から出ることができなかっ た。現れそうな予感はしていたのだが、結局サシバは1羽も現れなかった。それでもたえずトビやカラス、大型カモメ、そのた渡りの途上と見られる様々な鳥が 頭上 を通過していって退屈することはなかった。

4月19日(木)  晴

天気は晴れていたが、午前中は北風が強くとても寒かった。午後になり、気温が少し上昇してきたので、14:00−15:15立石海岸駐車場で観察した。北 風もかなり収まっていて、時間は別とすれば条件的にはまあまあであった。しかしサシバは1羽も確認できなかった。帰りに子安の里の近くで、適当な観察場所 がないか、探して見たが、道が狭くてなかなか良い場所は発見できなかった。サツキの花があちこちに咲いていて、素晴らしい雰囲気であったが、ここでもサシ バの姿は見られなかった。

4月20日(金)  曇時々晴

このところ芳しくない天候が続いていたが、今日は久しぶりのサシバ日和が予測された。恐らくラストチャンスと思われたので、過去の実績から見て、もっとも サシバに出会える確率が高い湘南平で、9:30−12:00観察した。南西の風がゆるやかに吹いており、視界もまあまあで条件的には決して悪くはなかった が、初めのうちはものすごく寒かった。11時ごろからは多少気温も上がってきたが、南風がやや強くなってきた。サシバは10:07、10:42、11. 32に各1羽が低空を東に向かっていった。2個体のノスリがたえずウロウロしていた他は、目だった動きはなかった。早朝にどの程度飛んだかが、気になる が、この条件で、この程度しか飛ばないところをみると、そろそろシーズンも終わりなのかなという感じがする。

4月24日(火)    曇

10:00−11:30 笛田公園で観察。曇空で地上では風は殆ど感じなかったが、上空の雲はゆっくり南から北に流れていた。もうサシバは渡りきってし まったのだろうと、殆ど期待はしていなかったが、10:42 サシバが1羽、悠然と西から、低空で現れ、野球場の上空を越えて源氏山方向に向かっていくの を確認することができた。22日に中央公園で、羽がボロボロの若鳥が見られたとのことで、注意してみたが、全く羽に問題のない、成鳥と思われた。絶好の シャッターチャンスがありながら、どうしてもカメラに捉えることができなず、がっくりであった。
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今年の春のサシバシーズンもあっ けなく終ってしまった。今年観察できたサシバは22羽で、昨秋の5分の1にすぎない。どうしてこんなにアンバランスなのか?サシバ観察を初めて以来、ずっ と抱いてきたこの単純な疑問に対して、今年も回答となるような材料は何一つ見出せなかった。いささか無力感が残るが、そんなことよりも、曲がりなりにも、 サシバ観察が出来たことに感謝すべきなのだろう。
今シーズンも多くの方より、貴重な情報、アドバイスを頂き、ありがとうございました。
                                                                            平成19年4月28日

今年の春のサシバも終わったと 思っていたところ、5月に入り鎌倉周辺で4日に渡って、あきらかに渡りと思われるサシバが確認されたとの情報が入った。これまで20年も観察してきて、5 月にサシバが渡るなどということは全く想定外であったが、データを調べると徳島の鳴門山などでは5月に入ってもかなりの日数に渡りサシバの渡りが観察され ている。その数は合計150羽から200羽程度であるが、観察者が極端に少ないという状況なので、実際にはかなりの数のサシバが5月にも渡っている可能性 があると考えられる。徳島と鎌倉との関係は、必ずしも明確ではないが、鎌倉でも5月一杯は少数ながらサシバが通過していることは間違いはないようだ。5月 に観察されるサシバは幼鳥が多いようで、今年の繫殖には参加しないサシバが遅れて、渡ってくるのではないだろうかとも考えられるが、くわしいことは謎だ らけである。

                                              平成19年5月24日



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