平成21年秋サシバ観察記録



4月末で春の観察を一旦終えたが、その後5月に入っても港南台では、断続的にサシバの渡りが続いているとの情報があり、結局5月から6月初旬に かけて、再 びサシバ観察に引き込まれてしまった。結論として港南台(円海山)では5月に15羽、6月に1羽のサシバが観察されているが、鎌倉では誰もサシバを確認す ること が出来なかった。しかし私は湘南平と葉山の城ヶ崎海岸で、合計3羽のサシバを発見することができた。
この時期に渡るサシバは殆どが若鳥であるとのことである。秋の渡りでも原初的な渡りが見られるが、春の渡りでは 逆に後発的な渡りがあるのだろうか?それにしても何故港南台なのか?25年もサシバを見てきて、初めて抱く、さまざまな疑問を残して、春のシーズンが過ぎ 去っていった。
その後体調を崩し、いまだに激しいメマイに悩まされて、まともに観察が出来ない状況であるが、8月中旬以降、鎌倉の各地で、空前の数のサシバが観察された との情報を得られた。
8月23日には台峰方面で延28羽、29日には稲村ケ崎周辺で29羽のサシバが観察されたとのことで、最低でも21羽のサシバが鎌倉 周辺に滞在しているものと推測されている。その他にも連日のようにサシバ観察情報が得られ、まるでピーク時のような状況である。こんなことは過去に例がな かったことであり、サシバを取り巻く環境になんらかの変化が起こっているような予感がする。体調の良いとき、何度かホームグラウンドである笛田公園をのぞ いているのだが、残念ながら私は未だに1羽のサシバも確認できていない。
                                                                  2009年8 月27日

8月28日(金)    晴

14:30−16:00   鎌倉霊園にて、観察。十二所方面でサシバがしばしば見られているとの情報があり、期待して観察した。南風がかなり強かった が、滞留サシバの観察には支障が無いのだろう。予想に反し、初めの一時間は全くサシバの影が見られなかったが、その後15;30頃からサシバが上空に次々 に現れ、延べでは10羽以上観察できたが、同時に見られたのは4羽であった。この地域に滞在するサシバは天園の東山麓を塒にして、十二所の果樹園方面と行 き来しながら餌採しているように思われたが、台峰や稲村ケ崎方面まで遠征することがあるのだろうか?とにかく、やっとサシバに出会うことができ、ホットし た気分であったが、いくら知人の墓参りの帰りとはいえ、この場所で、望遠レンズを振り回すのは気が引けたので、満足な写真がとれなかったのが、残念であっ た。
         
          霊園から望む天園方面の風景は50年前と変わ りがない、
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「サ シバが多く生息する霞ヶ浦北部沿岸にある茨城県新治郡霞ヶ浦町柏崎の富士見塚古墳公園において,2002 815日 から 927日 までサシバの原初的な秋の渡りの調査を渡り個体と残留個体を識別しながら行った.初渡りは 817日 にあり,821日 以降 926日 まで渡りが続いた.この間のサシバの延べ出現数は963羽 で,このうち307羽 が渡った.延べ出現数の最大は,9 1日 の47羽 の渡りで あり,渡り個体数も当期最大だった。また,この日を境に残留個体数は減少したが,渡り個体数はその後も漸増したため,延べ出現数の経日変化は渡り個体数の それに類似していなかった.渡りは晴または快晴の好天日に多く発生した.したがって,サシバの北部分布域で渡りの調査を行うにあたっては,好天が続く8月 中旬から始め,渡り個体と残留個体を識別する必要がある.]-------原初的なサシバの渡りとはなにか?  代表的なサシバの繁殖地の一つである霞ヶ 浦北部沿岸での4人の研究者による調査結果として、繁殖地のサシバは8月中旬から、段階的に減少を始めることが、確認されている。この文献をもとに 本格的な渡りの前に、繁殖地から去っていく サシバを原初的な渡りをするサシバと呼でいるのだが、その後の状況については、まだ殆ど調査されていないようだ。奇しくも、この原初的なサシバの渡りが 始 まる時期と鎌倉にサシバが出現する時期が一致するので、現時点で鎌倉で見られるサシバは「原初的な渡りのサシバ」であると考えられるが、それ以上 の詳しいことはまだなにも解明されていないというのが実状だと思われる。これらのサシバはどこに何羽滞在しているのか?行動範囲はどの程度なのか?これら のサシバは常に同一個体なのか、それとも徐々に入れ替わるのか?色々な推測はあっても、はっきりした結論はまだ出ていないのが実状である。だからこそ8月 のサシバは解明すべき多くの謎を秘めていて、一際魅力的に見えるの だろう。

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9 月3日(木)  曇

10: 30−12:00 笛田公園にて観察。北東の風がやや強く、気温25度程度でしのぎやすい日であった。
ここ数日体調不良で全く動けなかったので、久しぶりの観察であったが、これという動きはなかった。公園に隣接する夫婦池方面の樹木が大幅に伐採、大規模な 住宅開発が行なわれていた。この不況にも関わらず、この地域での住宅開発は止まるところがないようだ。笛田公園周辺の自然環境は、ますます悪くなっている ようで、見られる鳥の数もめっきり減ってしまった。このためか、鎌倉に滞在している筈のサシバも、笛田公園では、殆ど見られなくなってしまったようだ。滞 在サシバの行動範囲がある程度広いなら、これだけ多数のサシバが確認されているのだから、この場所に現れても良いはずだと思うのだが実際には、現れないよ うである。(十分な観察データがある訳ではないが) これが私が滞在サシバの行動範囲は意外に狭いのではと考える根拠の一つである。 

9月5日(土)  晴

10:30−11:30  夫婦池にて観察した。北東の風がやや強く、日差しはまだ強く、クラクラするような日であったが、空は快晴で、サシバ観察には絶 好の日と思われた。笛田公園と夫婦池は距離は近いが、滞在サシバにとっては、別の生活圏のように思える。夫婦池公園は鎌倉山のバス通りを挟んで、広町に隣 接している。生活圏からいえば、広町に属するといっても過言ではないように私には思える。笛田公園はこれに対し、常盤山の延長線上にあるように思える。鎌 倉に多くのサシバが滞在しているのであれば、夫婦池には必ず出現するはずだと思って観察したが、11:16サシバが1羽、広町方面から、中空で現れ、方向 的には稲村ケ崎の方に飛び去っていった。たった1羽の小さな発見であったが、とても満足感のある日であった。

9月7日(月)  晴

7:45−9:00  笛田公園にて観察。北東の風がやや強く、快晴で初めのうちは気温も低く、絶好な観察日和ではあった。しかし今年笛田公園の圏内に滞 在するサシバはゼロと想定されるし、サシバの出現は期待できなかった。想定外に現れるサシバやその他のタカ類に期待したが、成果はなかった。笛田公園をサ シバが飛ぶのは、本格的な渡りに入ってからになるのだろう。昨年は超高空をかなりの数飛んでいるが、低く飛ぶものは殆どなく、シャッターチャンスはゼロで あった。今年は是非低空に舞い降りてきて欲しいものだ。それにしても以前には賑わいを見せた、ヒタキやその他の鳥は、全く期待できそうにないのが、残念で ある。

   

9月8日(火)  晴

10:00−12:00  湘南平展望台で観察した。北東の風が5m程度とやや強かったが、視界も良く、それほど暑くもなく、条件は悪くなかった。北霞ヶ 浦などの繁殖地では、継続的にサシバが飛び立っているとすれば、当然相当部分が房総とか三浦半島にやって来る筈だが、両地域の収容能力からいっても、すで に限界点が近い(または超えている)ことは容易に推測される。房総半島の状況は定かではないが、もし多少の余力はあるにせよ、既にそこで繁殖しているサシ バがまだ残っているので、それ程多くの数は受け入れられないものと考えられる。三浦半島は例年以上のサシバが見られるようで、すでに限界の筈だ。とすれ ば、小規模とはいえ、サシバは鎌倉から西に移動していると考えるべきではないだろうか?そうしたサシバを実際に目でとらえることは、決して容易なことでは ない。その点湘南平は高度があり、視界が広く、渡りか非渡りかの判断が、もっともしやすい場所の一つだと思う。
この日は残念ながら、上空をハヤブサが2羽、旋回した以外、期待したタカの出現はなかったが、是非再度チャレンジして見たいものだ。



9月9日(水)     曇

葉山町にある長者ヶ崎海岸駐車場にて、13:30−15:00  観察した。この時期、この場所で期待できるものは少ないが、体調をなんとかサシバモード に戻すためのリハビリも兼ねて、この場所を選定した。これまでは、海水浴やサーフィンなどで、海岸線に駐車するのは容易ではなかったが、やっと少しすいて きたようだ。タカ類の成果はなかったが、ここは様々な鳥が移動していて、結構楽しめる場所である。この日はカワセミが1羽、海岸線を東から西に移動して いった。海沿いの場所でカワセミを見るのは、とても珍しいことのように思う。

9月10日(木)   晴

11:30−13:00  湘南平展望台にて観察。朝所用があり、観察開始が遅くなった。この日は風も弱く、やや霞んではいたが、眺望に問題はなかった。 12:07東の方向からサシバ2羽が現れ、まっすぐに頭上を通過し、まっしぐらに西に向かって飛び去っていった。これはどう見ても渡りだと確信できる飛び 方であった。真夏にも通院の都度、湘南平に立ち寄って、注視してきたが、今年はこの周辺に滞在しているサシバはゼロと考えられる。その点、例年のように、 紛らわしいサシバの出現はないので、とても判定がしやすいように思われる。すでに、四国や中国、関西等の観察ポイントでは、相当数のサシバが観察されてお り、湘南地方でも小規模ながら、サシバは渡り始めているようだ。ただ鎌倉に滞在しているサシバが徐々に入れ替わっているのか?新たなサシバが頭の上を通過 してくるのか?疑問点だらけである。
この他にノスリが1羽出現した。この日のサシバはそれほど高くはなかったのに、なぜか満足な写真がとれていなかったのが、残念であった。

9月11日(木)  晴

7:30−9:00  笛田公園で観察。風も殆どなく、絶好の渡り日和であったが、サシバもその他のタカ類も全く見られなかった。珍しくイソヒヨドリのメ スが1羽見られた。晴天なのに、時折アマツバメとヒメアマツバメの群れが見られ、グラウンドにはハクセキレイの幼鳥が見られた。以前はこの時期、ツミとか チョウゲンボウな どが良くやってきたのだが、このところ全く姿を見せなくなってしまった。ここ数日、鎌倉に滞在していると思われるサシバの動きも低調のようだ。もう既に 渡っていってしまったのか?一時的にどこかに移動したのか?それともひっそりと息を潜めているのか?その実態を把握するのは、理屈の上では、人海戦術で調 査を実施すれば比較的容易に解明ができそうであるが、実際問題としてはかなり困難なことのように思われる。
NPO法人「バードリサーチ」などは、舶用レーダーや気象レーダーを使った渡り鳥調査を実施して、それなりの実績をあげているようだ。でもサシバについて は、できうればレーダーなどに頼らず、それ程無理をしなくても、その実態を解明できるような効率的な方法をなんとか編み出したいものだ。

9月13日(日)  晴

久しぶりにKJGの例会に参加する積りであったが、体調が悪く、途中で引き返した。その途中10:07常盤山のマンション東側の林にサシバが1羽もぐりこ むような形で飛んで行くのを発見した。恐らくどこかの木に止まったものと思われる。マンションが出来る前、この辺りは地付きのサシバが良く見られたところ であるが、この場所で渡りではないサシバを見るのは、本当に久しぶりのような気がする。

9月14日(月)  晴

10:00−12:00  湘南平展望台で観察。快晴で眺望も良く、風もそれほど強くなく、条件は絶好だと思われた。ただ体調が依然芳しくなかったので、 焦点をテレビ塔をかすめて飛んでくるタカだけに絞って観察した。このように角度を狭めると、観察は楽だが、海沿いと、内陸を通過するものはまずカバーがで きないのが泣き所ではある。10:40と11;27にサシバ各1羽がいずれもかなりの上空に現れたが、高すぎて途中で見失い、最後まで行方は確認できな かった。しかし東からやってきたのは間違いがないし、渡りの可能性が高いと思いたい。他にハチクマ?とノスリが各1羽現れた。

9月16日(水)  晴

10:30−12:00   葉山長者ヶ崎海岸にて、観察。すでに白樺峠では3000羽のサシバが通過しているが、富津や武山では、まだ観察を開始したば かりで、実績はゼロのようだ。一時鎌倉に滞在したサシバは、三三五五渡っていって、残っているサシバは、かなり減少しているように思われる。もしかしたら ゼロかもしれない。したがって、本格的な渡りが始まるまで、鎌倉周辺では、サシバが見られる可能性はとても低いと思われたので、特別期待もせずに観察した が、予測通り、サシバもその他の期待されるタカ類も全く姿を現さなかった。期待されないタカとは、トビである。しかしトビは決して、邪魔な存在ではない。 他のタカと比較する時の基準になるし、上昇気流の有無などを教示してくれることもある。トビすら飛ばないという日は一抹の寂しさを覚えることがある。

9月17日(木)  晴

8:30−11:00  鎌倉霊園にて観察。現時点で鎌倉でサシバに出会える確率が一番高いところはどこか、各種情報や自分の体力などを勘案すると十二所 地区ではないかとの結論になり、再び霊園に出かけてみた。今年はメマイがひどく、バイクが利用できないので、行き先がどうしても制約されてしまう。予想通 り、8:50上空かなり高いところを、サシバ1羽が、金沢方面から、鎌倉市街に向かって飛行していくのを発見した。これはどうみても渡りのように思えた。 例年、富津でも、武山でも把握できないサシバが相当数鎌倉にやってきているが、もしかするとこのルートなのかとも思うが果たしてどうなのだろうか? その 後9:03、9:08、10:08、10:17、1025にサシバ各1羽を発見した。これらは高度も低く、渡りではないように思えた。合計6羽を見ること ができたが、同一個体である可能性は排除できない。しかし初めに見たものだけは明らかに別個体と
思われる。

9月18日(金)   曇

8:30−10:15 笛田公園で観察。三浦半島でもいよいよ本格的な渡りが始まったようだ。この日は北北東の風が5mの予報であった。この風であれば房 総からやってくるサシバは恐らく、海側を通過するだろうが、三浦半島内をスタートするサシバなら、ここにやって来る可能性は十分ありうる筈だと期待しなが ら観察した。しかしサシバは1羽も現れず、帰り支度をしている最中の10:07サシバ1羽が中空で、現れ、グラウンドで旋回もせずに一直線に西の方向に飛 び去っていった。公園ではコスモスの花がわずかではあるがとても綺麗に咲いていた。数年前13本植樹された八重ザクラの苗木はわずか3本しか残っていな かった。

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信州の白樺峠を通過したサシバの数は9月18日現在6788羽とほぼ昨年の実績(6805羽)並である。ところで白樺峠を通過したサシバはどこからやって きて、どのようなルートを辿っていくのだろうか?西日本にはサシバの観察ポイントは多いが、現時点では殆どの地点で、それほど多くの数はカウントされてい ないようだ。その中で注目されるのが京都の岩間山というところで、18日現在2259羽のサシバの通過が確認されている。これは白樺峠を通過したサシバの 相当部分が京都に向かっていることが推測されるデータであり、とてお興味深いものだと思われる。過去に実施された人工衛星を使った、サシバやハチクマの渡 り調査の結果、サシバはルートに固執する特性があり、これに対しハチクマはあまり固執しないという傾向が見られたそうだ。(勿論こうした調査はほんの数羽 のサシバやハチクマを対象にして実施されたもので、全貌を現しているとはいえいないかもしれないが)
白樺峠の渡りが終わった頃、風向きが変わり、北東風に乗って渡ってくるサシバ、それが房総や三浦半島、湘南で我々が見ているサシバなのだという説がある。
確かに現象的にはその通りのように思える。しかし白樺峠を通過するサシバ(同時に鎌倉を通過するサシバ)の総ての流れが解明され無い限り、安易に結論つけ る訳にはいかないようにも思える。
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9月19日(土)  曇

9:30−11:00  笛田公園。この日も昨日同様5m程度の北風が吹いていた。昨日のようにひょっこりとサシバが現れそうな予感がして、結構緊張感を もって観察したが、見事なようになにも飛ばなかった。通称サシバの見える丘の後方の木が伐採され、小鳥の数はめっきり減ってしまったが、すっかり明るい感 じ になっており、皮肉なことに春のサシバ観察には好条件になっていた。芝生のなかにヒガンバナが一輪咲いていた。



9月20日(日)  晴

8:45−10:30 笛田公園で観察。この日も5m程度の北風が吹いていたが、空は真っ青に晴れていて、サシバがやってきそうな雰囲気はしていた。
9:37 サシバ1羽が中空に現れ、深沢方面に去っていった。10:17今度はハチクマを1羽源氏山上空で発見した。このハチクマは常盤山に沿って、比較 的低いところを飛行して、野球場の北側上空を通過し、西に向かっていった。最後に見失った地点から双眼鏡を真下に下ろすと、湘南記念病院であった。笛田公 園でハチクマを見るのは久しぶりのような気がする。少数ではあるが、サシバもハチクマも着実に渡っているようだ。


9月21日(月)  曇

8:45−10:45  笛田公園。連休中の鎌倉は道路が混雑して、身動きができない状況である。笛田公園は家から車で5分とかからないが、駐車場の確保 に苦慮することが多い。この日は予報では弱い南風であったが、グラウンドは殆ど無風で、視界は良くなかったが、サシバがやってくる条件は一応満たしてい た。9:50チョウゲンボウがどこからともなく現れ、夫婦池方向に飛び去った。10時過ぎに一時空が明るくなったが、常盤山の上空にトビの柱が出来てい た。そのさらに上空を10:08サシバが1羽、超高空で梶原方向に通過していった。後続を期待したが、その後また雲が多くなり、サシバは発見できなかっ た。この公園では長年観察をしており、「傾向と対策」は熟知しているつもりだが、こんな日にこのような高空を飛ばれると発見するのが至難であり、見落とし があったかもしれない。

9月22日(火) 晴

10:00−11:30 梶原にある野村総研跡地で観察した。この場所は常盤山ハイキングコースの中間にあり、環境は抜群であるが、視界が狭いのが欠点で ある。この日は南風が2〜3m吹いていて笛田公園でサシバが飛ぶ限界点だと思われた。公園はスポーツ大会でものすごく混んでおり、駐車場にはいれなかった ので、10時開門をまってこの場所で観察した。こちらは人出もまばらで、グラウンドをほぼ貸切状態で観察することができた。10:46ハチクマが1羽現れ たが、サシバは観察できなかった。

9月23日(水)  晴

この日は弱い北風で、快晴、この連休中では最高の条件だと思われた。体調が悪かったが、笛田公園の駐車場が空いていたので、10:00−11:00観察し た。
武山でも、そろそろ飛び始めているし、この条件なら、きっとやって来ると思って観察したが、期待に反し、何も飛ばず、シャッターチャンスはゼロであった。

9月24日(木)  晴

9:45−11:30 笛田公園で観察。この日は北北東の風が5m〜6m吹いており、房総スタートのサシバを想定した場合、かなり厳しい日であった。 10:08と10:23サシバ各1羽が、 源氏山方向からかなりの高度で現れ、林間病院の上空あたりから、江ノ島方向に飛び去っていった。したがって笛田公園の上空まではやってこないのが、北風の 強い日の定番コースであるが、太陽の真下を通過していって、とても見にくく、見つけられたのはラッキーだったように思える。
昨日は富津で32羽、武山で22羽、稲村ケ崎では76羽のサシバが観察されたとのこと。笛田公園でも、条件は良かったので、半日フルに集中して観察ができ ていれば、ゼロはなかった筈?で、悔いが残る結果であった。他に10:24グラウンド上空にハヤブサが1羽現れた。

9月25日(金) 晴

昨日は稲村ケ崎では22羽のサシバが観察されたとのこと。この日も予報によると北風5m程度とほぼ昨日同様の天候であった。サシバが飛ぶとすれば海側であ ろうと、長者ヶ崎海岸に向かう途中、9:30に長谷郵便局あたりを通過した時、上空をサシバ2羽が旋回しているのを発見した。こんな低いところをゆったり と旋回するサシバに出会うのは、今シーズン初めてであった。この調子なら相当やってくるのではと期待しながら、10:00−11:30観察したが、サシバ は全く姿を見せず、11:20オオタカが1羽通過した以外、見るべきものはなかった。期待した場所に現れず、思いもかけぬ場所で遭遇するということは良く あることだ。この2羽は稲村ヶ崎に向かったと思われる?が、整合する観察記録があるかどうか気になるところである。

9月26日(土) 晴

9:15−10:30  通院の帰りに湘南平にて観察した。この日も北風が5m程度との予報であった。5mの北風はサシバの渡りにどのような影響を与える のだろうか?房総ルートでは各地とも、サシバが渡る数は少なめのようだが、それでも決してゼロという訳ではない。5mの南風であれば、恐らくゼロであろ う。サシバは西に向かって渡って行くのだから、北風でも南風でも、理屈の上では同じ影響を受けるのではないだろうか?むしろ海上に押し出される北風の方 が、南風よりも、リスキーなのではないかと思えるのだが、サシバは明らかに南風の影響を強く受けているように私には思える。そのあたりもとても不思議なと ころである。
この日は9:56にハイタカが1羽、3羽のカラスにモビングされながら頭上に現れた他、10:22サシバが1羽中空で頭上を通過していった。もっとやって 来そうな気がしていたが、体調が優れず、観察を切り上げざるをえなかった。依然満足なサシバの写真が撮れていない。腕の悪さもさることながら、シャッター チャンス自体がないのだ。年々サシバが飛ぶ高さが、高くなっているような気がするがどうなのだろうか?

9月27日(日) 薄曇

9:30−11:30 笛田公園で観察。
昨日は稲村ケ崎でサシバ120羽、武山89羽今シーズンの最高記録となっている。それにひきかえ私は湘南平で観察しながら僅か1羽しかカウントできず、大 ショックであった。もっとも稲村での観察記録の詳細を見ると、私が観察を止めた以降の時間に飛ぶものが、多かったようで、稲村で観察されたサシバが総て湘 南平を通過したと仮定して、タイムラグを調整すれば20羽程度の見落としだったと考えられるが、それにしてもショッキングな出来事であった。ただ唖然とし ていても、はじまらないので、現実を受け入れ、二兎追うものは一兎も得ずのたとえ通り、今日はカメラを断念して、超高空のサシバの捕捉だけに集中して観察 した。9:52と9:55にサシバ各1羽を超高空で発見することができたが、その後はまったくゼロであった。
奇しくも昨年のほぼ同時期に湘南国際村で、近くで観察していた人が150羽のサシバを観察しているのに、私は12羽しか観察できず、ショックを受けたこと があった。ただ湘南国際村では昨年初めて観察をして、場所の特性を熟知しているわけではないので、こんなこともあるのだろうと無理に納得していたが、笛田 公園や湘南平とは長い付き合いであり、そのようなエクスキューズは通用しない。年とともに動体視力が低下するのは、避けられないので、なんとか、 観察場所の特性を研究し直して、自分なりのノウハ ウを作り出すことで、カバーしていくしかないのだろう。

9月28日(月) 曇時々晴

10:00−12:00  長者ヶ崎海岸の駐車場で観察した。一昨日120羽も飛んだ稲村ケ崎はほぼ同じような条件なのに、昨日は1羽しか飛ばなかったと のことである。
富津で7羽、武山で13羽、と全般的に低調だったようにおもえる。ところが武山と稲村との中間点にある、峯山では39羽が観察されている。峯山を通過した サシバはいったいどこへ行ったのだろうか?とても興味深かったので、この日は峯山から海上に出るサシバが必ず通過するであろうと想定される、長者ヶ崎海岸 で観察した。この日も北東の風が3m程度吹いていた。このところほぼ同じような北風が強めの日が続いているようだ。10:22サシバ1、10:28サシバ 1、11:12サシバ 16、ハチクマ2と合計サシバ18羽、ハチクマ2羽を観察することが出来た。これらはいずれも超高空を飛んでおり、今シーズン初めてタカ柱をみることが出 来た。しかし、あまりにも高すぎて、サシバもハチクマも、空に吸い込まれるように姿を消し、どちらの方向に向かったのかは、トレースすることができなかっ た。


9月29日(火)  曇時々雨

10:00−11:30  長者ヶ崎海岸で昨日に引き続き観察した。
昨日は稲村ケ崎で243羽、富津で154羽、大楠山60羽、矢倉岳384羽と今シーズン最大の盛況であった。稲村ケ崎では既に累計で500羽近くが通過し たとのこと。恐らく9月中の記録としては、前例がない好調ぶりである。これに対し私が観察することが出来たサシバは非渡りも含めて、これまでに48羽にす ぎない。数多く見るのが目的ではないといっても、シャッターチャンスが全くないのは想定外である。
この日は弱い南風で視界が悪く、渡りのサシバは期待薄と思われた。こんな日にサシバに出会えるチャンスは、天候調整で滞在しているサシバが、つかのまの晴 れ間に一斉に飛び立って、旋回する場面に出会うしかないと思われた。そうした機会に遭遇する確率が一番高い場所は立石海岸だと思われたが、生憎駐車場が満 杯で已む無く、長者ヶ崎海岸で観察したが、全くの空振りであった。サシバの渡りそのものが、筋書きの無いドラマだとすると、こうした試みは筋書きのあるド ラマだと言えるかもしれない。ただ筋書き通りには、いかないのが、難点である。この日サンショウクイと思われる鳥に出会ったが、すぐに飛び去ってしまい確 認が出来なかった。サンショウクイとは何故か縁がなく、未だに私が見聞きした鳥のリストに入っていない。サンショウクイは、すれ違いばかりで永久に出会え ないような気がする不思議な鳥である。

10月1日(木) 晴

9:30−12:00 江ノ島外防波堤で観察。
昨日は雨であったので、この日は相当数飛ぶものと予想された。鎌倉市の天気予報では最大5mの北北東風であった。観察場所の選定に迷ったが、海上を行くサ シバに期待して江ノ島にした。江ノ島でも、数を求めるのであれば、竜口寺の方向も視野に入れた方がベターであるが、この日は、海上ルートのサシバ発見に主 眼を置いて、海側を主体に観察した。
10:50   サシバ  2
11:18   サシバ  1
11:26   サシバ  3
11:30   サシバ  1
11:42   サシバ  1
11:48   サシバ  1
と合計9羽のサシバが、いずれもかなりの高空を西に向かっていった。しかし期待したタカ柱は発見できなかった。これらのサシバは残念ながらどこから来たの かは把握できなかったが、11:30に発見したサシバは明らかに海上から周りこむような形で現.れた。他にハヤブサが何度か出現した。
この場所で海側に70羽程度のタカ柱を見たのは、もう 15年以上前のことである。同じく江ノ島の旧展望台から、海側に120羽のタカ柱を見たのは20年位前のことになるのだろうか? その時の気象条件は記憶 していないが、恐らく今日のような条件の日であった筈である。夢よもう一度とばかり通っているが、空振りばかりである。タカ柱にはロマンがあるが、目的は タカ柱を見ることではなく、海上ルートの存在を立証することである。峯山に近い長者ヶ崎から見ると真正面に湘南平があって、江ノ島は正面のやや右手に見え ている。9月27日に峯山で消えた39羽のサシバはきっと江ノ島沖を通過してたはずだと私は思うのだが。


なおこの日、稲村ケ崎では110羽のサシバが観察されている。海側を飛ぶサシバもかなりの数、観察されたようだ。サシバ の渡りに於ける江ノ島と稲村ケ崎と の関連は、解っているようで、意外に解っていない?ようにも思われるが、サシバの謎を解く上での重要テーマのような気がする。
     

10月3日(土)  曇時々雨

11:00−12:00 笛田公園にて観察。時折強い雨が降り、稲妻が走っていたが、遠くの空は意外に明るく、丹沢が見えていた。風は北になったり南に なったり複雑であったが、それほど強くはなく、笛田公園の条件としては雲が多いことをのぞけば、決して悪くはなかった。様々の小鳥が、西へ、東へ移動して いった。笛田公園ではスポーツを楽しむ人もなく、週末というのに、ほぼ無人であった。こんな日に常識的にはサシバは来ないだろうとさほど期待もせずに観察 していると、11:32 サシバが1羽、低空で現れ江ノ島方面に飛び去っていった。11:39タカspが、比較的低く、西に飛び去った。珍しく写真が撮れ たので、写真判定中。(一瞬チゴハヤブサかなと思ったが、結果的にはチョウゲンボウであった。)
一旦帰宅したあと、14時過ぎに青空が見え出したので、14:30−15:00 再び笛田公園に行って見た。すっかり視界が開け、富士山も矢倉岳も遠望で き、時間は別とすれば、絶好の条件になっていた。14:36と14:52にサシバ各1羽が比較的低空で現れ、グランドを越えて、夫婦池方面に姿を消した。 ただその後また小雨が降ってきたので、広町辺りで一泊するのかもしれない。

10月4日(日)  晴

11:15−12:30  笛田公園。 この日は北の風が2m程度で、快晴、シーズンに一度か二度しかない好条件であったが、急用のため観察開始が遅く なってしまった。しかし、まだ多少は飛ぶ筈だと期待して、かなり集中して超高空に照準を合わせて観察したが、成果はゼロであった。グラウンドでは、昔ソフ トボールをやっているとき、チームの監督をしていた人にパッタリであった。ほぼ同年代だが、未だに鎌倉市のシニアリーグで、プレーをしているとのことで、 元気さにビックリした。
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この日稲村ケ崎で483羽、台峰で268羽のサシバが飛んだとのことで、心よりcongratulation!を申し上げます。鎌倉全体で、一日751羽 のサシバが通過したことになると思います。偶々日曜日で観察者も多かった筈ですが、皆さん、きっと大感激されたことと思います。これを期にサシバに今まで 以上に関心をもつ人が増えることを期待しています。稲村ケ崎と台峰がこれだけ飛んでいるのですから、その中間にある笛田公園でも相当数が飛んでいた筈で す。笛田公園での、一日での観察数は多分S氏の120羽が最高記録だと思いますが、私は80羽台が最高です。このような日に笛田公園の観察記録ゼロはとて も残念 で、申し訳ない気分です。
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なおこの日、富津252羽、武山53羽、矢倉岳450羽が観察されている。これは鎌倉の実績と比べて、少ないように思えるが、富士宮(明星山)では 1097羽飛んでおり、鎌倉の記録と整合している。このことは何を意味するのであろうか? もしかすると、とても興味深い事実が隠されているのかもしれな い。

10月5日(月)  曇

10:00−12:00 長者ヶ崎海岸駐車場で観察した。北北東の風2m程度で、昨日と同様であったが、残念ながら曇りで、視界が悪かった。それでも、昨 日の今日なので、多少は飛ぶだろうと期待して観察したが、ハヤブサが一度現れただけで、サシバは全く見られなかった。やはり青空が全く出ていない日にはサ シバは群れでは渡らないのだろうか?既に稲村ケ崎では1000羽を越すサシバが観察されているのに、私はやっと60羽で昨年実績の40%にすぎない。この ようなnegligible smallな数字は到底満足が出来るものではないが、とはいえ、それほど不満足でもないのが不思議なところである。

10月9日(金)  曇時々晴

8:45−11:45  笛田公園で観察。
台風18号の影響で実質4日間、観察ができなかったので、台風一過の秋晴れを期待したが、予想外に雲が多かった。北風3mの予報であったが、殆ど風は感じ なかった。雲は複雑に流れていたが、条件的には、かなり良いように思われた。グラウンドでは交通安全ゲートボール大会が開催されており、市長が来たりして 賑わっていたので、駐車場からグラウンドに上る階段の中間地点から、観察することにした。
09:55  サシバ  6
10:52  サシバ  2
11:05  サシバ  1
11:07  サシバ  2
11:10  サシバ  9
11:16  サシバ  1
と合計21羽のサシバを観察することができたが、いずれも超高空をヒタキ桜のほぼ真上の上空を西に向かって通過していった。殆どのサシバはこの条件ならば 必ず飛ぶ筈だと予想したコースの上空の青空を、定期的に双眼鏡を頭上まで振り上げて探すという方法で、見つけたものである。サシバ観察というより、軍事訓 練でもやっているような感覚で、とても疲れた。しかし一人で観察する場合、これ以外に有効な方法はないように思える。笛田公園では、経験的に見て、条件ご とにサシバが飛ぶコースがほぼ決まっている(実際には他にもコースがあるのかもしれないが)ので、こうした方法が、取れるが、これほど高く飛ばれると、場 所の特性を熟知していないと発見するのは容易ではない筈だ。

10月10日(土) 曇後晴

昨日は稲村ケ崎で、125羽のサシバが観察され、合計1202羽になったとのこと。私は鎌倉で33羽のサシバしか観察できていないのだが、鎌倉全体でも 1500羽を超える数のサシバが観察されているとのことである。昔の数字はわからないが、少なくとも最近では、間違いなくnew recordである。日本全国を見渡しても、1500羽のサシバが見られる都市は、それほど多くはない筈である。自分は全く貢献もしていないのに、なんと なく誇らしい気分になる。
この日も昨日とほぼ同じような条件で、多少のサシバは見られるだろうとは思ったが、「隣の芝生」があまりにも青すぎて、到底笛田公園では観察する気になれ なかったので、メマイがひどくしばらく乗る気になれなかったバイクを引っ張り出して、10時頃、稲村ケ崎に行ってみた。すでに数羽が通過したとのこと。久 しぶりに顔見知りの皆さんと談笑するうちに、少し元気が出てきたので、かねてからのテーマである海上ルートのサシバを求め、江ノ島の外防波堤で、10: 30−12:30観察した。
しかし、サシバは1羽も発見できず、ハヤブサが1羽通過しただけであった。それでも沖合いを、無数のカモの群れや、その他の鳥が渡って行くのが見られ、退 屈はしなかった。伊豆大島の右手に利島を遠望することができた。
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ところで、西暦1192年に源頼朝が鎌倉幕府を開いたとき、稲村ケ崎では、今より多くのサシバが飛んでいたのだろうか?言うまでもなく、yesだと私は今 まで考えていました。でも最近では逆に今ほど飛んでいなかったのではと思うようになりました。理由は二点です。まず考えられるのは、サシバという鳥は人間 と共生しながら生きている鳥であるということです。鎌倉時代に千葉や茨城や東北の人口がどの程度で、所謂里山といわれるような環境がどの程度存在したので しょうか?第二は当時単純に東京を通過するサシバが相当部分を占めていて、相対的に三浦半島に回ってくるサシバが少なかっただろうと思うからです。皆さん はどうお考えですか?
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10月11日(日)    晴

KJGの例会があったので、9:45−12:00  源氏山山頂で観察した。この日も予報では北の風4mとなっていたが、意外に風がなく暑かった。サシバ は10:50に4羽、11:24、11:48に各1羽、合計で6羽観察することができた。この日のサシバは、いずれも比較的低く飛んだので、写真を撮るこ とができたが、あまり満足できるものはなかった。なおこの日KJG全体では22羽のサシバが観察されたとのこと。久しぶりにサシバは内陸主体に飛んだよう だ。ほかにカケスの写真を撮ることができた。

サシバ観察の副産物(アオバトとカケス)

10月12日(月)   晴

10:00−12:00 笛田公園にて観察。  この日は9時で、北風3m、12時で南東の風1mという予報であった。この風は笛田公園にフォローになり うる可能性があり、大いに期待して観察した。10:52 超高空を飛行するサシバ2羽を発見、これらは常盤山上空から梶原方面に消えていった。11:00   同じくサシバ1羽を発見、こちらは多少低かったが、写真ではそれこそ豆粒にしか写っていなかった。この他ノスリが何度か現れたが、おそらく同一個体と 思われる。昨日見たサシバは、ベンチに腰掛けていたら、向こうから挨拶に来てくれたような感じであった。これらのサシバは、まさに私がイメージするサシバ であったが、今日の3羽は豆粒にすぎなかった。双眼鏡で青空を根こそぎ捜査したところ、たまたま発見された飛行物体にすぎないともいえるが、この時期、こ の高さを 東から、西にまっしぐらに渡っていく、豆粒はサシバしか想定できないから、サシバと判定したもので、いわば状況証拠を積み上げにすぎないとも言えるのだろ う。それにしてもこのたったの3羽を探しだす、苦労は並ではなかった。いまでも首筋、肩、腰が痛く、目もぼんやりしている。ではなぜこんな苦労をして、高 空のサシバを追っているのだろうか?昔、このようにして見つけた1羽のサシバをどこまでも、徹底して追っていったら、サシバは2羽になり、10羽になり最 終的に120羽の群れに行き着いたことがあった。そのときの感激がいまだに残っているから、このような労働集約的家内制手工業のような作業に耐えられるの かもしれない。

10月13日(火)

9:30−12:30   湘南平展望台で観察した。風は初めは北後南に変わったが、いずれも微風で、視界も良好、絶好のコンディションだと思われた。し かしサシバは1羽も現れず、ノスリが同時に2羽現れた他、これという動きもなく、ヒタキの姿も見当たらなかった。笛田公園なら片道5分だが、湘南平は道路 が比較的順調であっても約50分かかる。その上成果なし。それでもそれなりの満足感がえられるから不思議である。なお伊豆大島は秋谷の立石(立石海岸)か ら見ると、正面左手に見える。ところで湘南平から見ると伊豆大島はどの方向に見えると思われますか? 答えは正面右手です。実は私も最近気がついて驚きま した。

10月14日(水)  曇

10:00−12:00  葉山長者ヶ崎海岸にて観察した。弱い北風で、頭上は時折青空が見えて、まあまあの条件であったが、視界が悪く江ノ島がぼんやり と見える程度であった。こんな日常識的にはサシバは期待できないが、なにかサプライスが起こりそうな予感がする天候であった。結構集中して空を見上げてい ると、様々な鳥が行き来していて、退屈はしないが、識別できないものが多く情けなくなる。極力写真に撮って、写真判定に持ち込みたいが、なかなか画面に入 らないのが悔しい。結局期待したタカ類はなにも出なかったが、結構満足感のある一時であった。

10月15日(木)   晴

北北東の風5mの予報であった。既に殆どのサシバは渡ってしまったのか、各所とも観察数がめっきり減ってしまったようだ。ラストチャンスを箱根でと思って スタートしたが、体調が今一つ芳しくなく、予定を変更して、湘南平で9:30−12:00観察した。湘南平には今シーズン6回目であるが、これまではあま り輝く日がなかった。
条件としては悪くなかったが、時期も時期だし、サシバにこだわらず、気楽に観察しようと思っていたところ、9:56に突然6羽のサシバが現れ上空を旋回し た。規模は小さかったが、この場所でタカ柱を見るのは久しぶりのような気がする。かなり高い位置であったが、一部は写真が撮れる範囲にまで降りてきたの で、撮影することができた。その後もサシバがやってきそうな雰囲気がしていたが、結局後続は現れなかった。ノスリやツミが何度か顔を出したが、ヒタキは見 られなかった。


10月16日(金)  晴

10:00−11:30 笛田公園にて観察。  北の風が2m程度で、視界も良く、絶好の条件であったが、サシバは1羽も現れなかった。稲村ケ崎も昨日で 観察を終えている。まだ若干とはいえサシバは渡っていると思われるが、数が少ない上に高く飛んでいるとすれば、発見はかなり難しいだろう。それでもサシバ 以外に見るべきものがあればまだ救われるのだが、笛田公園からサシバを引いたら何も残らないのが寂しい。ここ数年ヒタキがまったくやってこないヒタキザク ラをぼんやりと眺めていたら、いつの間にか時が過ぎていった。そこに来ただけでワクワクするような場所、サシバが飛ばなくても何故か満足感のある場所、そ んな場所は鎌倉にはけっして少ない訳ではないのだが、車で行ける場所となるとどうしても限定されてしまう。

10月17日(土) 曇時々晴

10:00−11:30  夫婦池で観察。南風2m程度、空も明るく条件はまあまあといったところであった。この公園は、規模は小さいが、自然度は高く、 サシバに多くが期待できない時には、悪くない場所である。視界が狭いのもかえって、焦点をしぼりやすくて、好都合だと思われた。二つある池を行き来してい る、カワセミの写真を撮りにくる人が多かった。タカの成果はなかったが、それなりの満足感はえられた。

10月18日(日) 晴

10:00−11:00 稲村ケ崎で観察。今秋1200羽以上のサシバが通過した稲村ケ崎も流石に、観察者は誰もいなかった。これからの季節は、他にもや ることが沢山あるので、いつまでもサシバにこだわってはいられないというのが、通常のパターンなのだろう。しかし私は、丹沢湖に赤い鳥がやってくる11月 下旬まで、これといってやることがない。家に閉じこもってサシバのデータを整理するのも悪くはないが、そうなると折角サシバモードでなんとか安定している 体調が、狂ってくるだろう。
サシバはやってこないだろうが、他にやることがないからサシバを見ているーなんとも情けない感じがするが、これが意外と楽しいのだから不思議である。

まずとても気になるのが稲村ケ崎と江ノ島との関係である。江ノ島は稲村ケ崎から見ると、目と鼻の先にある。また江ノ島の防波堤からプロミナで稲村ケ崎を見 ると、観察している姿が、はっきりと確認できる位置にある。ところが稲村ケ崎を通過したサシバは、原則として江ノ島の海側にはやってこないように私には思 える。それでは江ノ島の防波堤で見るサシバはどこから来ているのか?それは風向きにもよるが、海上から来るものと、内陸から来るものに大別できるように思 う。内陸から来るものは意外と、笛田公園あたりを経由しているのではないだろうか?明確な根拠はないが、これが、いままで何度か私が江ノ島で観察してきた 感想である。
勿論サシバ観察において、感想などというものはなんの意味もないので、稲村ヶ崎と江ノ島との関係を検証してみることが急務なように思える。これは技術的に は、さほど難しいとではない。要は江ノ島に、稲村ケ崎の付属局的な観察ポイントを一定期間常設して、相互に交信しながら、サシバの流れを把握することであ る。こうした試みは、かなり昔KJGのメンバーで、何度か実施したことがあったように記憶しているが、明確な結論が出ていないように思える。最近熱意が あって、レベルの高いメンバーが増えてきているようなので、是非これを実現して、結論を出すような試みが実現することが期待される。これはつまらないよう で、実はとてもサシバの特性を掴む上で有益なように思える。

また稲村ケ崎と笛田公園とで、同じサシバが二重にカウントされる可能性について、実際の地形を見ながら考えて見た。結論から言えば、その可能性は十分あり うるが、観察データの詳細をチェックすることで、二重カウントは殆ど排除できると思われる。まず笛田公園は稲村ケ崎より西にあるので、笛田公園を通過した サシバが稲村ケ崎に向かうという可能性は皆無といってよいだろう。したがって稲村ヶ崎を通過したサシバが笛田公園にやって来るケースだけを想定すれば良い と思われる。
その可能性が考えられるのは、笛田公園から見ると、鎌倉山の稜線上に南から現れて、稜線に沿って西に向かうサシバが、時として見られる。恐らく月影地蔵あ たりから、上ってくるように見えるサシバである。このコース以外には二重カウントの可能性は私には想定できない。笛田公園から海は見えないが、笛田公園の 上空を飛ぶサシバは海を見ながら飛んでいる筈である。Google Earthを上手く使うと、サシバの目で見た、地形を再現できるようだが、使いこなすのが難しくなかなかマスターできない。 こんなことをぼんやり考えて いると、次から次へと展開していって、止まるところがない。それもサシバの面白さではないだろうか?   

10月20日(火)    晴

10:00−11:00   箱根大観山で観察。

天気は晴朗で、富士山もくっきりと浮かんでいたが、南風が強く、タカもヒタキも全く、期待できなかった。今シーズン、例年必ず訪れている、箱根や、十国 峠、西丹沢の大野山、足柄峠などに一度も行かれなかった。ときおり起こるメマイのため、西湘バイパスを通行するのに、不安があって行けなかったのだが、最 後はどうしても大観山で観察してみたかった。残念ながら、この日見ることはできなかったが、海抜1011mのさらに上空を西に向かって去っていくサシバの 残像、それは確実に迎えられるかわからない来シーズンまで、目に焼き付けておきたい、最高のシーンだと思えるからである。


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今シーズンも多くの皆様から、色々サポートしていただき、ありがとうございました。特に一眼レフカメラでの、超望遠撮影についての、技術的なご指導、本当 に感謝いたします。満足の行くサシバの写真は撮れませんでしたが、それは名人クラスの方々の作品に比べての話しであり、自分のこれまでのレベルから見る と、本当に信じられないような素晴らしい写真を何枚か撮ることができました。

























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